手話通訳者のいる病院を増やすために…2019 医療通訳シンポジウムin川崎から
11月17日の日曜日は、川崎での医療通訳シンポジウムin川崎にご招待いただきました。
聴覚障害者に対する情報保障、特に医療の場での問題は、市議の時から取り組んでいる重要なテーマのひとつです。
国内で手話通訳者が設置されている病院はまだ6か所程度。当日は3病院から報告があった中から、市立札幌病院の専任手話通訳者の方のお話を紹介します。
市立札幌病院では、手話通訳者の頸肩腕症候群を防ぐために、手話通訳者は2名配置されています。
通訳にあたっては、医師からの患者へ情報提供が十分されることと、患者の意思の尊重に努めているとのことです。
医療の情報は専門性が求められることから、事前に医師からのレクチャーを受ける一方、医師からも「どのように説明したら分かりやすいか」と相談を受けたりしているそうです。
手術に立ち会うこともあり、高い感染リスクを回避するための様々な研修へも参加しているとのこと。病院内でのニーズはかなり高いことが紹介されました。
課題は、手話通訳者の処遇が悪いこと。きちんとした雇用体系と、体力とメンタル両面での健康管理への対策、それに負担が大きくなってきたときには、十分休める体制を確保することが大事だと強調されました。
医師と患者の意思の疎通は、適切な治療方針を立てるために不可欠な要素です。
患者が聴覚障害者の場合、手話通訳によって患者と医師の間で情報が共有され、治療への流れがスムーズになるのはいうまでもありません。
しかし全国的に、医療機関における手話通訳者の身分保障や、処遇改善のための予算措置へのハードルは高い状況にあるようです。
10月現在「手話言語条例」は、全国で半数以上の都道府県で施行されていますが、医療通訳者を置く病院はごくわずかです。
神奈川県でもすでに「手話言語条例」が施行されています。条例施行の具体的成果として、県内の病院でも医療通訳者の配置に取り組むべきだと考えています。
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