新斎場整備、PFIは案の定混乱してます。
10月24日に開かれた総務常任委委員会。
今回は、平成31年に完成を目指す新斎場の整備についての現段階での整備内容がありました。
新斎場に関しては、設計、建設、運営をすべて一括で特別目的会社に委託してしまうというPFI方式で運営すること、将来の死亡者数や他市との比較しても、炉数9基は必要ないこと、などを理由に、昨年の63億円の債務負担行為(18年間のローンみたいなもの)に反対をしてきました。
今回の報告で、はじめて議会に新斎場の図面が示されましたが、待合室はすべて2階。移動には階段と、11人乗りのエレベーター2つのみ。
これで現斎場より利便性が上がるのかという疑問が委員会で議論されました。
じつは、この内容を知った小田原市仏教会からは、市長宛にエスカレーターの設置を求める要望書がすでに提出され、市議会にも情報提供がありました。
斎場では、荼毘と収骨の際には、参列者が一斉に移動すること、炉数を増やしたことで複数の葬儀が同時に行われるとすると、1組の参列者が30人から40人だとすれば100人以上の人が一斉に移動するのに、エスカレーターがなければ混乱を招く、という内容でした。
委員会でも「エスカレータがなくて大丈夫か?」「エレベーターをもう少し大きくしたらどうか」などの意見が出ましたが、環境部長は、「これからの設計の変更は、変更料が必要になる。斎場という施設は、パッケージングで考えていく施設だ。市民の皆様の意見を伺うとしても反映できないので、おまかせいただきたい。」との答弁がありました。
これに対し、「お任せいただきたいとは、あまりに傲慢だ。実施設計に入る段階で市民の要望をきちんと受け止めてできないならできないなりの説明をすべきだ」との意見が出ました。私も全く同感です。
これまで私が新斎場を PFI方式で進めることに反対してきたのは、こうした事態を想定してのことです。PFI方式は、お金以外はすべて業者にお任せできるやり方であるため、具体的な設計図が見えてきても、変更ができないのです。変更するならまた事業費は上乗せ、そうなると、一緒に整備をする南足柄市はじめとした他市の了解(つまり、議会の議決)も改めて必要になり、またまた建設が先延ばしとなります。老朽化した現斎場は一刻も早く建て替えなければならない状態で、設計変更をしている余裕がないことはわかりきっていたことです。であるなら、PFIではなく、通常の施設整備の手法で行うべきでしたし、せっかくの新しい施設が使い勝手が悪いのでは話になりません。
事業者募集の時の要求水準書には、「バリアフリーを徹底すること、利用者の動線がスムーズに と記載した」とのことですが、それを受けてのエスカレーターなしは、業者制定にも問題があったと言わざるを得ません。ましてや、一番斎場を利用している僧侶の皆さんに、事業者選定前にどうして相談をしなかったのか。事業の進め方には大いに問題があったと思います。
市民の利便性とは関係なく、多額の税金を投入した施設整備が行われる。
全く理解に苦しみます。
新斎場では、これまで無料だった利用料も有料になることや、今の見事な桜の木は伐採しなければならないことなど、市民にとって影響のある事案がまだまだたくさんあります。
これから具体が見えてきたとき、納得のいくものができるのか、まだまだ注目です。
“新斎場整備、PFIは案の定混乱してます。”へ4件のコメント
この投稿はコメントできません。
佐々木様
メールを有難うございます。
斎場についてやはり問題が生じましたか。
炉数について人口、老齢化率などがほぼ同じ秦野市に比べ2機?ほど多かったと思います。 東京都とおなじで税金を使うことにたいして、市長は最適な設計をするという基本的な姿勢に欠けます。 また部長はここへ来て設計変更はできないのでお任せいただきたい、とはあまりにも無責任でしょう。
議会一丸となって市長の行動に対してチェック機能の強化をお願いいたします。
葬祭場は大いに問題です。葬祭場以上に問題なのがホールです。ホールは今、多様な入札契約方式もでる事業に任されて、その支援に送り込まれてくるのが、豊洲市場で問題の日建設計なんです。その結果がどんなことになるかわかりきっているじゃないですか。
ホールも同じように問題にしてくださいよ。
そうですね。
議会一丸となりたいところですが、なかなか難しそうです。利用する市民の方から、どんどん意見を出してくださるほうが有効だと思います。
PFIだろうとなんだろうと、市民の意見が反映されず、使い勝手の悪いものが税金で作られることに、もっと市民は怒っていいと思います!
問題にはしてます。先日、一般質問もいたしました。大須先生には、ぜひご感想をいただきたいと思います。
市のやり方は相当おかしい、そこは一致してますが、だからこっちを作ってくれ、というのはあんまり賛同できないですね。手続きが民主的であるかどうか、責任を持った進め方になっているか、税金が無駄になっていないか、をチェックすべきで、そうできてない現市長に、どんな方向性を出そうが、責任がなくなるわけではありません。そこをきちんと問題にしないと、民主主義は崩壊します。