議会の「会派」って、いったいなに?

19日の予算特別委員会で、予定されていた「未来・おだわら」代表をしての私の総括質疑が行われなかったことについて、お問い合わせもいただいております。
私が所属していた会派「未来・おだわら」は3月18日、予算委員会の総括質疑の前日に、横田副議長の突然の脱会によって自動消滅し、私は無会派となりました。

その結果、19日の議会運営委員会で、新たに無会派となったわたしと植田議員は、無会派議員としての通告をしていないとの理由で、総括質疑ができないとの決定がなされました。
もともと議会運営委員であった植田議員も無会派になったことから委員から外され、議運で発言することさえも許可されませんでした。

総括質疑は27年度の予算について市長に質すことができる大事な機会です。
委員会での総括質疑は通告制という議会内の申し合わせがあるとはいっても、質疑の前日にいきなり会派を抜けるという前代未聞のイレギュラーな事態を想定していないルールです。特段法的な拘束力がある訳でもないので、それよりも、議員の大事な権利である委員会での発言をどう守るか、という視点で議論をしてほしかったと、とても残念です。

私は以前から、会派とは何のためにあるのかということに疑問を持っていました。
会派は議会運営をスムーズにし、主義主張をある程度グループ分けにすることで、市民に分かりやすくするため、と言われてきました。しかし、議員は1人1人、市民によって選ばれ、平等の権利を持っています。どこの会派に所属するか否かを表明して立候補するわけではありません。投票した議員がどの会派になるのかは、議会が始まってみなければ分からないし、いつでも離れたりくっついたりするものに、何の保証もありません。他市では無会派でも会派の議員と同等の権利をキチンと保証している議会も少なくないようです。

小田原市議会では、無会派議員は議会の運営やルールを決める代表者会議や議会運営委員会への参加できないのはもちろんのこと、予算・決算、その他の特別委員会にも参加できません(現在は試行的に予算・決算委員会は全員参加式なので、無会派も参加できます。)これでは、無会派に投票した市民の権利は狭められてしまいます。この不公平はやはり問題があると私は思います。

今回のように会派のルールを使って議員の発言を阻止するということができるのであれば、それが悪用される可能性があることは容易に想像できます。横田議員に悪意があったかどうかは分かりませんが、わざわざこのタイミングで会派を脱会することに何の意味があったのか、議会はあと2日で終わるので、議会運営に支障のないタイミングで脱会することもできたのではないかと思います。

今回の事態は、小田原市議会の会派主義の問題点を浮き彫りにしたと思います。会派があろうがなかろうが、議員1人1人の発言が平等に尊重される議会になるべきです。ぜひ市民の皆様にも考えてほしい問題です。

議会の「会派」って、いったいなに?”へ8件のコメント

  1. 大木 晉 より:

     横田副議長が「会派(未来・小田原)」総括質問を封じるための圧力に
    屈した、同僚まで裏切った弱い男性の姿が目に浮かびました。
     議員となれば、いろいろな圧力が掛るのは必定、それを、跳ね返し、ときには、話
    合い、悩み、苦しむときもあると思います。その覚悟があっての議員だと思います。
     迷うときは、最後は市民のため、有権者の視点で判断してくださいと言いたい。
     という私は、どうゆう人生を歩んできたのか、穴があれば入りたい自分が?

  2. 大木さま
    コメントありがとうございます。
    「迷うときは、最後は市民のため、有権者の視点で判断」
    その通りだと思います。
    私も、そのような姿勢で、今後も取組んでいきたいと思います。

  3. 伊東 より:

    横田議員が会派を離れた理由は何なのですか?

  4. それはぜひ、ご本人に聞いてほしいと思います。
    わたしが修正案を提出しますと横田議員に報告したすぐあとに、脱会届けを提出したようです。

  5. 伊東 より:

    佐々木様
    ご説明ありがとうございます。
    それでは、選択権は佐々木議員にあったわけですね。
    修正案を出して、総括質疑をしないか、修正案を出さないで総括質疑をするか、
    どちらにするかは、佐々木議員の胸一つだったわけです。
    横田議員は修正案に反対だったわけですね。だから会派を脱退したわけです。

    佐々木議員は、「横田議員は、私の言うことは何でも聞くべきだ」と考えているわけではないですよね。

  6. 加門史裕 より:

    修正案を出すか、総括質疑をするか、2者択一になるという問題のたて方がおかしいと思います。そもそも、会派と言う制度は政党とは違うので、党議拘束などないはずです。様々な案件について、賛否が分かれるたびに会派を出たり入ったり、消滅したり発生したりするんですか?横田議員を含めて会派主義を維持したい議員が大勢を占める中、会派を離脱すると言う事の重みを副議長たる横田議員は知らないはずはないのです。私には修正案を出す事が、会派離脱に直結すると言う論理が全く理解できないのですが。

  7. 加門史裕 より:

    一般市民には、会派と言う言葉はなじみが薄いです。ギョーカイ用語と言ってもいいでしょう。そして、会派を離脱するとか、消滅するとかが、議員の発言にどう影響するのかなど、知る由もありません。こういうわけのわからないシステムを後生大事に守っても、市民はますます、政治から離れていくばかりのように思います。特殊な人たちの特殊ルールでやってるつまんないゲームになってしまうでしょう。議事進行だけやたらスムースで、行政の提案を丸呑みするだけの議会なんて望んではいないと思いますが。

  8. 総括質疑は、会派を代表して行う質疑ですし、修正案を出すかどうかとは直接関係がありません。
    当然、横田議員の意見も尊重した内容となっています。横田議員は、自らの権利をも放棄した事になります。

    また、予算委員会での修正案の提案は、委員1人から出来ます。私は私が修正すべきと思った事業の削減を提案しただけで、
    横田議員は別に提案自体を阻止せずとも、私の提案に賛同できないのなら、修正案に反対すれば良いだけです。
    意思表示を避け、小田市議会のルールの隙間を利用して、発言封じをした事が問題なのです。
    そういう欠陥があるルールは、即刻見直すべきです。

    修正案を出すか、総括質疑をしないかの選択権、とはどういう事でしょうか?
    私たち議員にとっては、どちらも市民から信託された大事な権利です。その権利を、なにかとバーターに使う、などというのは、
    議会制民主主義への冒涜だとわたしは思います。それを議員自らが行った事は、市民に対する裏切りでもあります。

    市民に託された自らの権利をきちんと行使し、また他の議員の権利を尊重していきながら丁寧な議論を進め、
    市政のチェック機能を十分に働かせていくことを議員ひとり一人が努力しなければ、議会制民主主義はあっという間に
    無意味なものになります。市議会の投票率前回45%。多くの市民が議会なんていらないと思われているのです。

    議会制民主主義がキチンと機能する事こそ、市民の権利を守り、平和へと繋がる大事なことだと私は信じていますし、だからこそ、
    議員をやっています。

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