熱海の土砂崩れ〜神奈川は大丈夫か?〜

 県議会令和三年第3回定例会で、私が所属します会派「立憲民主党・民権クラブ」を代表して、赤野議員が代表質問に立ちました。2回に分けてレポートします。

今話題の盛り土問題。熱海の大規模土砂災害に関して、今後神奈川県でも同様の被害が起きないために、盛土の点検状況と県の土砂条例施行規則の見直しについて質問しました。

 熱海市の土石流災害では、多数の人的・物的被害が生じてしまった下流域の住民の中に、その上流エリアに「大規模な盛土が、存在することを知らない方もいた」との報道がありました。神奈川県の「土砂条例の手続きや運用を具体に定めた施行規則」では、盛土などの「土砂埋め立て行為」を行う場合について、事前に「周辺住民等への説明会」を開催するよう義務付けています。しかし、その説明対象範囲は「土砂埋立区域の周囲 50メートル以内の土地所有者等」というもの。

それに対し、赤野議員は、今回のような土砂災害の被害が広範囲におよぶ恐れがある地形において、盛土を行う場合には、命を守る意味からも、特別警戒区域であるいわゆる「レッドゾーン」と呼ばれる場所から、下流域にあたる住民の方々はもちろん、「説明会の対象範囲」についてさらに広くするといった、施行規則の改正が必要であると訴えました。

それに対して、知事から、この施行規則について、市町村と話し合いながら、年度内を目途に改正したいとの答弁がありました。熱海の土砂災害の事例から、地元も皆様からも要望があり、また市議会でも議論された土砂条例施工規則の問題。大きく前進しました!

さらに、熱海の大規模土砂災害では、届け出以上の盛り土をしていたことや、行政からの適切な指導がなされなかったことに対し、「人災だ」として、被害者の会が立ち上がり、地権者に対し刑事告訴をしています。

不正盛り土や無許可での盛り土は全国的に問題となっており、ましてや、廃棄物を入れてしまっているなどの問題もはらんでいて、そのままになっていればいつ崩れるかわかりません。私のところにも、今回の熱海の土砂の問題をきっかけに「あそこが危ないのではないか」などのご相談をいただいています。

現在国が取り組んでいる目視による総点検では抽出できない不正盛り土や不法投棄には、住民からの情報提供を求めるしくみを作り、被害防止に取り組んでほしいということも、赤野議員はきっちりと知事に要望しました。

県には、県民の安心安全の視点から、危険な不正盛り土や不法投棄の解消にしっかりと取り組んでほしいと思います。
 県民の命をまもるという強い決意に満ちた赤野県議の代表質問。次回は、コロナ関連の質問をレポートします。