松枯れ対策説明会開催!

f4117f37d9c307291397f2dc165bb4bf1月21日から城址公園の170本の松に、松枯れ対策のための樹幹注入が始まります。昨年までは、大規模な農薬散布を行っていましたが、今年6月にこの件で健康被害を訴える声があり、より安全性の高いとされる樹幹注入へと切り替えました。木に直接穴をあけ薬剤を入れる、人間でいえば注射のような感じなので、外には飛散しないということですが、やはり農薬であるし、この6月からさまざまに農薬の問題が出ていることから、お城に近い御堀端幼稚園のお母さんたちから不安の声が出ていました。

そこで、保護者の有志の方が園長先生の協力も得てこの樹幹注入に対して、園の保護者向けに説明会を開催してほしいという旨の要望書を、園長先生、先生方を含めた保護者など、約70名の署名とともに、先日市長あてに提出しました。私は、仲介役として参加させていただきました。

残念なことに市長、副市長ともに不在でしたが、担当部署である経済部長が受け取り、その後、経済部、観光課の職員との質疑の時間もありました。市のほうも、お母さんたちの子どもたちを心配する思いをしっかりと受け止め、すぐに園と連絡を取り、説明会を開くことになりました。部長自ら樹幹注入についてを説明したり、「松の葉で焼き芋をするのですが、心配です」という言葉にも観光課長が「安全性を確認して、説明会のときには報告します」と、しっかりとした対応をしてくれました。

今日の説明会では、今回使う薬剤の製薬会社の社員の方や、樹幹注入の作業を行う造園業者の方も説明に来てくださいました。かなり難しい質問にも製薬会社の方が丁寧に答えていました。焼き芋の件は、「枯れた葉の農薬残留のデーターがないので、今年調べてデーターをお渡しします」と約束しました。また、作業中も警備員を配置し、農薬を注入した穴が完全に乾くまで、必ず人の目があるように作業を進め、万が一にも子どもが触ってしまわないようにする(子どもは字が読めないので)ということでした。さらに、要望項目の1つである、薬剤を使わない方法の再検討にも後日回答をくれるとのことです。この件もぜひ見守りたいと思います。

農薬の問題はとても難しいと私自身もこの数カ月悩みながらここまで来ましたが、やっと明るい兆しが見えた気がします。説明会の席でも「さくらはどうなんだ」などの声もあったように、今後城址公園だけでなく、さまざまな場面での農薬の問題が出てくると思いますが、今回の市の丁寧な対応を、ほかの場面でも生かして欲しいと思います。

現在小田原市で農薬を扱っている課は16課もあり、その個所は200ヶ所にも及びます。ところが、農薬に対する認識も対応も課によってとても温度差があることが、6月からの調査で私が感じたことです。9月の一般質問ではとにかく、農薬に関する横断的な連絡会を作ってほしい、共通のマニュアルを作成してほしい、と要望をしましたが、なかなか形にならないのが現状です。今回の要望書をきっかけに、ぜひ担当課同士の横の連携を取り、今回の樹幹注入のように、農薬は危険なものだという認識で、緊張感をもって取り組んでほしいと思います。

6133a4658bc47ec333cd1ef4eaff5d0bとにかく今回は、1週間というとても短い期間でのアクションでしたが、お母さんたちの行動力と連携の素晴らしさ、そして何よりも「子どもたちを守りたい」という素朴な思いが行政側にも伝わったのだと思います。

まずは大きな第一歩。こちらも元気になるような力強いアクションでした。
 写真は、本日の樹幹注入の様子。説明会に参加したママが撮影。作業に立ち会った製薬会社の方は薬剤をなめて安全性をアピール。大丈夫か?

松枯れ対策説明会開催!”へ4件のコメント

  1. 笹鶏 より:

    今度の背景の色
    紫に変わったときは驚きましたが、
    今度は水の中のようですが。よくよく見れば雪景色でしょうか。
    農薬の事は難しい所もあるけれど。
    公園での使用は、よほどの注意が必要でしょう。
    先日も、群馬のほうの農協の春菊から、残留農薬が見つかりました。
    本来使ってはならない、農薬でした。この時期の春菊に、何故農薬が要るのか。
    使わなくても幾らでも、生産できる時期です。
    農薬の使用が、混乱しているのでしょう。

  2. 佐々木 ナオミ より:

    Unknown
    驚きましたか?
    大成功ですね。ははは。

    公共施設や、住宅地など、日常過ごす場所の農薬については、さまざまな人がいるし子どももいるので、農薬の使用については気をつけて気をつけすぎることはないと思いますが、これが徹底されていないことが問題です。管理や周知等がしっかりしていれば、自分の身守ることができます。

    笹鳥さんからは農業の問題、いろいろと学ばせていただいて、その中からたくさんの課題が見えてきました。

    農薬の問題は人体への影響だけではなく、大気中の問題や土壌汚染、生態系の影響など、もっと様々な深刻な問題があると、私自身は危機感を持っています。そうした中で、今できることからとにかくやるしかありません。

  3. Take より:

    Unknown
    昨日は御濠端幼稚園の理事会でした。園長はじめみなさん
    にお会いしましたので、不安な要素があれば僕のほうでも情報を集めますのでとお話しておきました。
    佐々木議員がすばやく動いてくれたこと、農薬メーカーが懇切丁寧に教えてくれたことなど感謝されていました。

    御濠端幼稚園もあの借景あればこそ、といっていますので、そうした場合は松の老木をなんとか長生きさせたいです。そうすると病原菌に対しては、低農薬で周囲に影響の少ない殺菌剤は必要になると思いますので、今後も情報交換をしていきながら、環境問題として、また幼稚園の教育問題として関心を持っていきたいものです。

  4. 佐々木ナオミ より:

    Unknown
    今回のこと、私というより、やはり御堀端のママたちが素晴らしかったと思います。かなり前からの問題で実はかなりこじれてしまっている部分もあったのです。農水省からの通知にも、樹幹注入は農薬散布に代わる安全な方法として記されています。補正予算も通ってしまっている中で、この作業を中止にすることはできないので、私としては「仕方ないかな?」と思っていました。
    それでも、何とかしたいと思うママからの相談で、「とにかくたくさんの方の理解を得る形でやりましょう」ということで一致ができ、実現できたことです。
    ママたちの連携も素晴らしかったし、そして、それを支えた園長先生をはじめとする園側の対応もありがたかったです。本当にありがとうございました。

    たくさんの人たちとの意見交換や丁寧な話し合い、その中で譲歩したり、お互いの立場を理解し合いながら進んでいけたこと、行政と市民がきちんと向き合い連携できたこと、とても小さなことかもしれませんが、市民自治の最初の一歩に立ち会えたと思います。そして何より、ママたちの不安がなくなり、また新たな方向性を見出そうとしていることが、私はうれしいです。これからも皆さんから学ばせてもらいながら一緒に進んでいきたいと思っています。ぜひ一緒に、よろしくお願いします。

    それにしても、さすが御堀端幼稚園!卒園児の母としては誇らしい気持ちです。おかげさまでうちの娘も、とっても素敵な子に成長していますよ(親ばか!)

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