マンション,マンション
本屋に立ち寄ると、「小田原の風景100選」(だったっけな?)という本が売行き№1の所においてあった。ぱらぱらめくると、なんだか、ずるいなーと思う物がいくつかあった。小田原の海辺で子ども達が遊ぶ写真。でも、もうちょーっと横を写せば、その美しい海岸線を台無しにするような西湘バイパスがあるというのに。桜並木の隣には、びっくりするほどの高いマンションが聳えっているハズ。選定委員のお1人は「隅櫓橋からの眺めが最高だ」と書かれていましたが、隅櫓橋はもうないし、そこからはこんどは大きな城下町ホールが眺められることになります。「田んぼの風景が」とおっしゃる方も。でも、田んぼもどんどん担い手がいなくなり,荒れた田畑は住宅になりつつあります。
私の家の隣の廃材置き場もかつて田んぼだったとか。今夜も夜中にダンプカーがやってきてドスンドスンと音をたて、作業をしています。だれも手を入れない柿の木林。一本だけ梅が植えてある空き地。雑草を耕すだけの畑。そして、どこまでも空を遮ろうとする鉄塔。私の家の周りも、そんな風景だらけです。
知り合いはマンションの最上階を買ったという。私は2階の家がいやで、今の平屋に越してきました。すぐそばに土のある暮らしが安心します。ついその人に「最上階っていい?」と聞いてしまった。道路を舗装したいという要望をたくさん聞きました。でも、舗装されていない道を子ども達が走っていくのが好きで、どっちがいいのかな、と悩むところです。
国道一号線沿いを車で走っていると、前川あたりで町を覆い尽くすかのような真っ黒な巨大な建物がそびえていた。近くに住む人は「もっと早くに知っていれば」とため息を洩らす。そうすれば、こんな所に住まなかったのに、という意味かしら。昨年反対運動をしていたマンションです。近隣の人の太陽をすべて奪い去るような高さ。この海辺にあまりにも不釣合い。このマンションに住む人はきっとよい眺めだろうけれど、その眺めからはまったく足元は見えないことでしょう。
巡礼街道の大渋滞。ケヤキの並木道に引っかかる電線。その電線のために枝を落とされたお粗末なケヤキ。
歩道をふさぐかのごとくに飛び出した看板。あっちにもこっちにもはびこる自動販売機。
あ、思い出したら、キリがなかった。
「小田原のひどい景色」200選くらいはいけそうです。
“マンション,マンション”へ3件のコメント
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景観は誰が壊す
ナオミさま、ほんとにお久しぶりでした。犬に噛まれて落ち込んでいたのでしょうか。ブログ楽しみに開く奴もいることお忘れなく。
今日のブログ、最高です。ウルウルしてしまった。今度私の「小田原まち壊しマップ」差し上げます。
前羽小学校前のダイヤモンドマンション、国道を通るたびに、怒り狂いますので、出来るだけ通らないようにしています。「小田原の原風景100選」、伊勢治で平積みを見ましたが、手にする気も起こりません。前回の100選から消されたものを、市長室に掲示したい。泥棒が防犯運動の旗を振っているようで、見たくもありません。
「美しい国」なんて無茶を言う馬鹿宰相がいるようですが、「花より団子の国」と言った方が正直ですね。「住民を苦しめる法律とは、断固闘う」という上勝町長の話しを聞いた後、国道1号で前川を通ってしまった。怒っていてもしょうがないので、「美しい国」のために愚直に異議申立てを続けます。
Unknown
smatさま
ありがとうございます。こんな熱烈なファンがいらっしゃったとは、ありがたいことです。
ぜひ「まち壊しマップ」いただきたいです。
「美しい国」なんて、うわべだけを体裁整えたって、やっぱり中身が大事なのではと思います。中身があれば、そんな言葉をスローガンにしなくても、自然と美しさはでてくるのではないでしょうか。だれが、どんな目的で、どういう手順で作ったものか。そして、人の命はどうなのか。問われているのはそこだと思います。
先日も、モデルハウスとして建てられたおしゃれな(今風の)家が、その役目を終えたらしく2、3、年しかたっていないというのに壊されていました。一緒に居た知り合いと「大きなゴミだったんだねー!」と怒りまくりました。大きなゴミはこれ以上必要ないです。
大きなゴミ
住宅の見本を展示して、ユーザーに見せて「売る」というシステムは、かのアメリカ合衆国がはじまりです。でも、かの地では展示見本ではありません。造成宅地の一角に建てて、その現品もきちんと販売します。新しく造った家を、見本展示だけでゴミにするという手法は、わが「美しい国」だけのようです。私たち庶民は「もったいない」という感覚をしっかり持っていますが、企業や行政は、ゴミ化こそ経済活性化となさっているんですね。