犬に噛まれて

 先日、よその家で犬に噛まれてしまった。
そのお宅では犬を玄関のすぐ脇につないでいた。まさか噛むとは思わなかったので、というより、そこに犬がいるのが分からなかったので、本当にびっくりした。幸いズボンの下にも毛糸のレッグウオ-マーを履いていたので(長いやつ)たいした怪我ではなかったが、スカートだったらと思うとちょっと恐い。物騒な世の中なので、番犬は効果があると思うのですが、私は悪い人ではないんだよお!と言いたい。

ペットブームならしいですが、ペットの飼い方が社会的な問題にもなってきています。海外の生き物を輸入して飼っていて、飼えなくなって捨ててしまう。カミツキガメとか話題になっています。外来種の問題は日本の生態系を脅かしている大きな問題です。外来種によって日本在来の動植物が絶滅に瀕している。私の家の前にもセイタカアワダチソウがたくさん生えています。これは喘息の要因の一つではないかと言われています。我が家の息子も今の家に引っ越してきてすぐに喘息の発作が始まりました。関係があるのではと疑っています。小笠原でもグリーンアノ-ルなどの外来生物が小笠原固有の昆虫などを絶滅させているようです。

小田原市では公園から砂場が姿を消しつつあるようです。市に訊ねたところ、犬や猫のフンによる苦情が多いためとと言います。小さな子どもを持つママは、「砂場のある公園を探してさまよっています」と言っていました。また一方ではにおいがひどくて公園では遊べないと言う声も。我が家の近くの公園も日曜になると犬を連れた人が集まって、ドッグランのような状態になってます。息子は動物がとても苦手なので、犬が放し飼いにされていると遊べなくなってしまいます。

猫はやはり野良猫の問題でしょうか。野良猫にえさをあげるべきかあげないべきか。でも、野良猫は野生の猫ではないので、誰かが捨てたから野良猫になったわけで、増えるから餓死させればいい、というのも人間として無責任なような気がするし、かといって飼っていない猫にえさを与えて、さらに野良猫を増やすのもどうかと思う。野良猫に避妊手術をしようという市民団体がありますが、こうした活動がもっと市民権を得てもいいのではと思います。「手術をするなんてかわいそう」という人もいます。手術をしないなら、猫を外に出してはいけないのです。

ペットを飼うということは、その命を預かるということだし、その責任はやはり飼い主にあるでしょう。飼うからにはきちんとルールを守らなければならない。現状を考えると「飼い主のモラルを」という問題では済まされないのではと思います。以前ミドリガメを買おうとして、「許可が必要だ」という話を聞いて、以前は縁日などでも売っていたミドリガメにしても、飼うからには責任を持って飼わなければと思いました。これも外来種です。平成15年度の全国での犬猫の殺処分は約39万頭。このすさまじい数字を見ても、ペットの飼い方について、もう少し踏み込んだ対策が必要に思います。

犬に噛まれた話をすると、たいていの人に笑われる。友人のMさんに話をしたら、彼女は猫に頭を噛まれたことがあるそうだ。その時すごく泣いてしまって「痛いわけじゃないんです。ほんとうに悲しかったんです」と言う。そうなの!痛いわけじゃなくて、すごく悲しかった。なぜだか分からないけど。犬に噛まれたとき、私もすごく悲しくてしばらく涙が止まらなかった。そういう気持ちがわかる人がいてよかった。彼女はわたしと負けず劣らずの悲惨な出産体験をしていて、その話がすごく笑えて泣けるので「ほんとに笑えたよ」と言ったら、「笑いにでもしないとほんとに泣いちゃいそうで」と言ったのです。そのときも、「ほんと!そうだよね!」ひどく共感したのでした。

笹鶏さんは「犬も恐かったんだよ」とおっしゃった。そんな恐い思いをしている犬も、そういえば悲しい顔をしていたなあ。
私を噛んだ犬ちゃん、お互い、つらいね。
本来犬好きな私は、そらやさんちのそらちゃんに慰めてもらうんでした。ありがとう!