ごみ処理広域化をめぐる1市3町の旅
1市3町広域ごみ処理の問題は、小田原だけの問題ではないということで、今日は湯河原町の美化センターへヒヤリングに行ってきました。湯河原町の現状をいろいろと聞いてきました。
まず小田原との違い。小田原市では1か月100キロ以上出す事業者は有料ですが、湯河原町ではどんだけごみを出す業者でも公費で処理をしています。また、家屋解体の時の木材だけは町で処分(これは有料ですが)をしているとのこと。小田原市は産業廃棄物として、専門業者に出して処理しなければならないものです。こうした条件を、広域化するときには「小田原方式に合わせる」と言いうけれど、本当に出来るのかな?これまで無料でごみを出してた、たとえば小さな旅館が今度はお金がかかることになるわけです。それだけを考えても、とにかく広域化って言葉では簡単だけれど、想像しているよりずっと大変なことなのではないかと思いました。
湯河原町の美化センターは山の頂上にあって、ここを毎日たくさんのパッカー車が登っていくのも気が遠くなりそう。さらに焼却炉も見学しましたが、「ごみを混ぜる」のだって、技術が要りそう。それだけでも大変だし、炉の温度を上げるために月6000ℓも灯油を使うとか。この焼却炉が大規模になるとしたら。先日お話を伺った「水俣に産廃処分場?とんでもない!全国の声」の共同代表である藤原寿和さんによると、やはり焼却も職人芸で、火の色とかで微妙な調整がいるけれど、大規模になって、コンピューター制御をしていると、事故が多いとのことで、それも納得でした。
そして、山の奥深くにある、焼却灰を埋めるための最終処分場。あと5年でいっぱいだそうです。小田原は他県へ持って行ってます。小規模でもこれです。美しい山間にひろがる最終処分場というのも、なんだか悲しいですね。ごみを焼却に頼っている現代社会のまさに負の部分を垣間見ることができたわけです(写真)。
二宮町は広域化を離脱して「脱焼却」を目指し始めているそうです。湯河原町くらいの規模なら、プラスチックの分別と生ごみのたい肥化を進めていけば、ずっと楽に、今の規模で十分に処分が出来そうに思うのですが、それでも国の交付金がないのでは、独自でやることは難しい。
ごみ処理広域化の旅。まだまだ続きます。