おだわら地下街はどうする?

ブログで、小田原地下街に福祉関係の窓口を作ったらどうかと呟いてみたところ、
何人かの方から反応がありました。
ツイッター上では「図書館がいい!」との声もあります。ので、ちょっと小田原地下街について、
改めて整理をしてみたいと思います。

現在小田原地下街は、「土地」をJRと小田原市が所有しています。
そして、「建物」である地下街は、小田原市が所有をしています。
本来は、お店がやっていれば、そのテナント料が小田原市に入り、
小田原市は土地を借りているJRに地代を払う、という仕組みになっています。

ところが、今はテナント料が入っていないので収入はゼロですが、空調や光熱費など
その他もろもろの経費が年間約4千万円ほど掛かっています。

4月21日の総務常任委員会では、地下街施設の耐震診断と設備関係費の調査の報告がありました。
その結果として、耐震工事に3千万、空調や電気の設備を更新するのに12億ほど、
さらに、今後の今のレイアウトなどを変更したりするならば5億以上かかるのではないかということで、
地下街を再生するのに全部で約22億円掛かりそうだとの試算が出ました。
もちろん今後の地下街の在り方によってはもっと多くなる可能性もあります。

さらに、その後の運営費として、JRへ地代を払うことや(今は免除していただいています)今以上に
光熱費なども膨らむことから、年間の維持管理に1億くらいは掛かるのではないか、という説明でした。

さて、そこで考えなければならないのは地下街をどう使うかということです。

1、 商業的利用をして、投資した額を取り戻す。
それには、もうこれ以上の失敗は許されないので、「確実にもうかる」必要があります。

2、 小田原市の公共施設として使う。
その代わり、税金は毎年かかります。たとえば「けやき」が現在年間約6千万ですから、それに比べると
かなり高い維持管理費になります。

3、 もうそんなにお金がかかるなら、埋めちゃう。
けれども、地下街には都市計画道路があるので、県の許可が必要で、
他に道路を作る(たとえば、ペデストリアンデッキを伸ばすとか)必要も出てくる。
埋めるのも、どんだけ土が必要か、とか考えると結構お金はかかりそうです。

という選択が考えられます。
どれにしてもお金がかかるし、なかなか難しい問題です。
地下というのは、結構大変なものなんですね。

商業的に使うとしても、確実に収入が入る、というものにしないとまた、同じことを
繰り返す結果になります。
22億もの税金をかけて(かどうかはテナントとの相談にもよると思いますが)、
もしまた失敗したら、大変な損失です。ある意味、博打。
であるなら、市民にとって確実に必要な施設を作るのも、1つの手だと思うのです。
たとえば、今、市役所で所狭しと並んでいる福祉関係の相談窓口を地下街へ移動し、
福祉、介護、さらにはDVや児童虐待の相談なども含め、とにかく、困ったことがあったらそこへ行けば
相談ができるような総合的な窓口の必要性があると、以前から考えていましたが、
出来れば駅前などの誰もが行きやすい場所がいいと思うのです。
とにかく、気軽に、買い物のついでに相談できる、というのはとても大事なことです。
(特にDV相談は、そういう場所にあるべき)それには、新しい施設を作っている余裕はないので、
地下街はうってつけではないか。
また、サポセンや、貸し部屋など、今、駅前再開発事業で検討されている公共的な機能を
ある程度地下街に持ってきたらどうか、と思うのです。
お城通りがあのままでは、やっぱりよくないけれど、駅前再開発はやめて、
最低限の見栄えを良くするくらいにとどめたらどうか。
たとえば、半分は公共施設、半分は商業施設という手もあります。

なぜこんなことを言うかと言えば、
とにかく、これ以上、借金がかさむのが恐ろしいと思っているのです。
市民ホール、駅前再開発、地下街、広域ごみ。
これから財政はさらに厳しくなるなかで、進んでいる計画も、
思い切って「あきらめる」という選択をする必要があると思います。
どの事業もある程度お金をかけて進んでいるので、そうは簡単に止められないところまで来ていますが、
全部やってしまったあとが怖い気がしています。

市民にとって、本当に一番必要だと思うものは、
ホールか、駅前活性化か、公共施設の充実か。いかがでしょうか?

おだわら地下街はどうする?”へ5件のコメント

  1. 松本茂 より:

    この地下施設は、防災設備の整備が用途変更にかかる費用の大きなファクターになります。地下街は本来的に高効率の商業施設でしか成立しない施設なのです。市民にとってはたいへん厳しい意思決定が求められます。

  2. naomi_sasaki より:

    smatさま
    おっしゃる通りだと思います。
    今後びっくりするような経済の回復があるとは、私は思えません。ですから、絶対的な高効率の商業があるのかどうかが疑問です。
    ましてや、小田原市には、ダイナシティーもシティーモールもあり、車社会の今日では、やはりそちらにどうしても人が流れます。
    逆に、流れなくなったらなったらで、今度は川東地域が困ってしまいます。
    さらに言えば、これからはネット社会。車のない人はネットでなんでも買える時代です。
    これからは、どれだけモノを持たないで、自分らしく快適に暮らせるか、がテーマになってくる時代になると思いますし、そうなるべきだと考えています。
    そのなかで、すでに持ってしまっている地下街をどうしていくか、厳しい選択です。

  3. 山北泰斗 より:

    私は地下街がどこにあるのかも知らない部外者ですが
    小田原駅といえば新幹線が停まる駅という印象が強いです。
    日常の買い物の場所は鴨宮に譲るとして、(地下街に限らず)駅周辺は
    外からの人を意識しても良いのではないかと思います。
    商業的なものか歴史的なものなのかは分かりませんが
    何か造るならば広域から人を呼べるものがいいと思います。

    市のモノは市民のためにというのも分からなくはないですが。。

    蛇足ながら
    選挙の時に地元出身というのがアピールの材料になるというのは
    (もちろん投票する側がそれを好むからなのでしょうが)
    いかがなものかと。1,2割は外の人がいたほうがいいように思います。

  4. naomi_sasaki より:

    地下街は、基本的な形状を変えるのは難しいと思います。かなり予算がかかるのではないですか?
    駐車場にするなら車の出入り口をなんとかしないといけませんもんね。

    基本は、今の形を保持。それで、中のレイアウトを多少変えるくらいが妥当な線かなと思うのですが、
    どれくらいの予算があれば駐車場にできそうとか、かんパパさんがわかったら教えてほしいです♪

  5. naomi_sasaki より:

    小田原に来るならやはり小田原城に行ってほしいですね。そうすると、地下街と言うよりは町並みを整えるほうがよいのではと思います。
    ビジネスホテルがないなあとは思いますが。
    駅周辺でいえば、西口の新幹線ビルも、東のベルジュも、旧丸井ビルも、何とかしなければならない物件が多いです。
    地下街は小田原市が所有しているものなので、とりあえずは何とかしなければなりませんが、
    広域で人を呼べる「モノ」を作るよりは、まち全体を観光地として、城下町小田原を意識したものに統一したほうがよいと思います。
    お城通りのゲームセンターとか、ドラッグストアとか、怪しげな喫茶店とか、何とかしないと。
    町中にある灰皿も、何とかしたいものです。

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