【8月15日を考える会】開催報告

【8月15日を考える会】は、おかげさまで会場いっぱいの参加となりました。
 
冒頭、実行委員を代表して、檜山智子さんから、この会の始まりについて、戦争を体験した2人の亡くなられた大先輩から託された思いと、また、この深刻な政治状況下でこの会を開く意義が話されました。加藤憲一小田原市長から届いた、平和に対する想いが丁寧に記されたメッセージを、司会を務めたわたしが代読させていただきました。
 
そして、長崎大学准教授の中村桂子さんの講演は、8年前の核兵器禁止条約が作られたタイミングでの講演から、さらにパワーアップ。
冒頭「希望を捨てる必要はない。具体的な政策として、一歩ずつ階段を登っていくことができる」との言葉で始まり、核兵器の今の状況と、廃絶までの道のりを、わかりやすくお話ししてくださいました。
 
現在世界に存在する核弾頭は約1万2千発、冷戦時代の7万発から大幅に減ってきています。
しかし、質の面では軍拡。小型で超高速の高性能になっている。そして、全世界で核保有国は9カ国。
 
核兵器のほとんどはアメリカ、ロシアが保有していますが、それ以外の保有国の核が近年増えているという報告も。核保有国の安全保障は核兵器にしがみついている状況です。核兵器が使われるリスクは高まっている。私たちは、核兵器がいつ使われてもおかしくない世界に生きている、とのこと。
 
一方で核武装は決して、安上がり、などということはなく、核兵器の老朽化、核実験による被害なども深刻な問題です。
核兵器のある世界は、社会的弱者の犠牲の上にしか成り立たない、ということを、あらためて、認識しました。
核なき世界を作るためには、核を持たない国や市民社会が主導して、核兵器に対する「世界の常識を変える」ことです。
核兵器禁止条約には、すでに94カ国が署名、73カ国が批准。「核兵器を持つことは恥」「核兵器で人々の平和は守れない」「一発の核爆発でも壊滅的な被害をもたらす」という常識を広めていく「人道的アプローチ」がじわじわと効いてくる。
なぜなら、かつて使われていた生物兵器も、対人地雷も、「人道的な視点」から禁止され、その使用は国際的な犯罪行為として非難されるまでになっています。同じ歩みを、核兵器に対しても作っていくことができるはずだとの言葉に、私も勇気をいただきました。
 
唯一の戦争被爆国である我が国はいまだに条約を批准していませんが、この流れに乗り、核兵器禁止条約の締約国会議へオブザーバー参加を今こそ実現すべきです。
昨年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協が石破首相にオブザーバー参加を要請したとのニュースは記憶に新しいところです。
先日の8月6日の広島や9日の長崎で、「核なき世界への主導は、戦争被爆国の使命」とまで語り、終戦の日には、2012年以来の「反省」という言葉を使ったことが評価されて、戦後80年の首相談話は見送るものの、メッセージを出す予定とのこと。
先日の臨時国会でも、我が党の野田代表が、「戦後80年の首相談話は、総理が一番やりたかったこととしてやり遂げるべきだ」と石破首相へ力強く要請しました。
長崎の平和式典では、「長崎を最後の被爆地に」と語った石破首相。戦後80年の節目の年にこの国のリーダーの責任として、実現へ向けての決断をしてほしい。
そのために、私も国会でしっかりと活動をしていきたいと思います。