つくしんぼ教室のこと

障がいのある未就学の子どもたちが療育(治療教育)をうけるための市の施設「つくしんぼ教室」は、
城山の社会福祉センター内にあります。
専門家に相談をしたり、同じ悩みを抱える仲間との交流を通じて、支援が必要な子どもたちの伸びる力を伸ばし、日常生活をより過ごしやすくするための場です。
ところが現状は、とにかく狭くて療育できるスペースが不十分であり、理学療法士などの専門家も十分に配置されておらず、子どもたちが安心して充分な療育を受けられる状態ではありません。
このつくしんぼ教室は市立病院前の公用地に新たに建設される看護学校に移転予定です。
つくしんぼ教室で働く理学療法士さんが、市内の療育の専門家や、つくしんぼ教室に通う子供の保護者と作っている「めだかサロン」という会では、この移転を機に施設の拡充や、専門家と保護者を交えた検討委員会の設置を求め、ここ数年、様々な要望活動を行いました。

そして今回、何とか子供たちの声を届けようと、議会に請願を提出することになりました。請願の内容は、
当事者や専門家の声が、施設計画に直接反映できる仕組みとして、検討委員会をつくることです。
市民が行政に要望を出すための手段としては、
市民本人が直接提出する「陳情」と、市議会議員が紹介者となる「請願」があります。
「めだかサロン」のみなさんとは、これまで一緒に活動をしてきた経緯から、同じ会派の植田議員とともに私が紹介議員になることになり、療育に関わる多くの市民の切実な願いを、12月議会に届けました。
しかし議会では、「請願趣旨の部分に『施設の拡充』という言葉があり、そうなると県の補助金がもらえなくなる」「検討委員会はこれ以上作るべきではない」などの理由で否決となりました。
請願には「建物を一から設計し直せ」とはどこにも書いていないことを説明しましたが、理解は得られませんでした。しかし、請願者の思いは受け止めるべきということで、当事者の声を反映させるため運営協議会を設置するようにとの意見も添えられました。請願は否決されましたが、市長には当事者の声が活かせる場を早急に作っていただきたいと思います。

 幼い子どもの発達に不安を抱える家族にとって、身近な所で相談や適切な指導を受けられることは、切実なニーズです。また、その子なりの成長が促されることで、その後の学校や地域での生活がスムーズになります。障がいがあってもなくても、支え合いながら、共に地域に生きること。
「命を大切にする小田原」のまさに基本とも言えるこの課題に、私は今後も取り組んでいきます。