県厚生委員会から

2月12日から、神奈川県議会、令和2年度の第1回定例会が始まりました!今回は、令和2年度の当初予算も盛り込んだ大事な議会。初めての当初予算の審議、がんばります!

2月13日には、今年に入り5回目になる臨時の厚生委員会が開催されました。

一昨年の「津久井やまゆり園」の事件を受け、新たな施設建設計画が進行中のところ、すでに決定していた新施設の指定管理について、12月議会で突然の方針転換を知事が発表しました。
知事は、「津久井やまゆり園」の指定管理者である「かながわ共同会」が運営する別施設である「愛名やまゆり園」の元園長が、知人の小学6年生の女児への強制性交罪で逮捕された事件を一因とし、まだいろいろ出てくるなど発言するばかりで、その内容は不明でした。

その後知事の発言どおり、「愛名やまゆり園」での虐待があったことが認定され、「津久井やまゆり園」でも身体拘束などがあったことが明らかになってきました。
これまでの委員会では、「かながわ共同会」側と神奈川県側との認識の違いが明らかとなり、議論が平行線のままに続いています。

13日の厚生委員会では
①県が直営する施設「中井やまゆり園」での虐待が認定されたことについて
②「津久井やまゆり園」で行われている検証委員会からあらたな課題が出てきたこと
③知事が「津久井やまゆり園」利用者のご家族と個別対話を行ったこと
などの報告がありました。

ここでは私が会派を代表して質問させてもらいました。
気になったのは、検証委員会の書類調査をしていく中で、身体拘束を行った事例の中に、法令で認められる状況以外で身体拘束があった可能性が見えてきた、との点です。

障がい者虐待防止法では、身体拘束を禁止しています。一方で、やむを得ず身体拘束を行う場合の3要件「切迫性、非代替性、一時性」を設定していて、その3要件すべてを満たさなければ、身体拘束はできないことになっています。
またやむを得ず身体拘束をする場合は、個人の判断ではなく、責任者も含む会議を経て決定することになっています。さらにその場合には、利用者の個別支援計画に記載する必要があります。

しかし、書類上での調査の中では、この3要件が「すべて」ではなく「どれかに当てはまれば」という認識で身体拘束をしていた可能性が見えてきました。また、他の会議録などと照合すると、個別支援計画に記載されていない例も見受けられました。この点をさらなる調査で明らかにする必要があるということです。身体拘束は、尊厳を損なうことにもつながる大変重大なことです。それが違法に行われたとなれば、大きな問題になります。ここはぜひとも、今後の検証委員会でしっかりと明らかにしていただかなければなりません。

県では、今回の検証を通して、「利用者目線の新しい福祉をつくりあげていきたい」としています。新たな指定管理に関しては、適正な人員配置や専門性の向上など、財政的な裏付けも当然求められることになります。この際、県内の福祉支援全体を検証し、より良い福祉の構築に本気で取り組んでもらいたいとおもいます。