電子黒板、本当に必要なの??

 9月の補正予算では、前政権の置き土産、「スクールニューディール政策」により、幼稚園、小学校、中学校に1台づつ電子黒板、全教室(中学校は特別教室)に地デジ対応デジタルテレビ、全教職員にパソコンを入れるための予算が計上されました。全部で、約2億5千万円。財源は国からの補助金ですが、そのうち約8千万円は市債(つまり借金です)でまかなうことになります。
市の説明では、地デジ対応テレビを整備するなら、国からの補助金が出る時にやってしまおうということらしいのですが、はて、ほんとに地デジ対応テレビが各教室に必要でしょうか?
 地デジということは、リアルタイムでテレビを見るということ。今、実際に学校で、リアルタイムでテレビを見る機会ってあるでしょうか?私が調べたところだと、学校でのテレビの利用は、給食の時間に学校行事の時に撮ったビデオなどを一斉に流す、理科や社会の教材のビデオを見る、必要なテレビ番組を録画しておいたものをテレビで見る、ということぐらいだそうです。つまりビデオは見るけどテレビの電波そのものは見る機会はほとんどないのです。
 デジタルテレビになれば、電子黒板と連動できたり、パソコンにつなげて、インターネット教材が見れたりするらしいですが、それが本当に、必要なのでしょうか?
 そりゃー、あったら便利だしうれしいかもしれない。でも、実際の学校現場は、デジタルにはほど遠い、もっと超アナログな問題が山積みなのではないでしょうか?

 たとえば、先日私の息子が通う学校へ行ったら、下駄箱の横に置いてある「すのこ」(ここで上履きに履き替える、アレです)から、釘が飛び出ている。あまりに「すのこ」が古すぎて、叩いてもまたすぐ飛び出てきちゃう状態です。他も同じような状態で、大変危ない。子どもが足でも怪我した困ると思って、学校へは「すのこを買い替えたほうがいいのではないか?」言ったところ、教育委員会から、買い換える余裕がないので、木材を買ってきて、教育委員会の修繕係の人に作ってもらうとのこと。それは8月28日で、もう新学期は始まってしまうので、新学期までにできるんですか?と聞きましたら、「ひとつずつ手作りなので、すぐはできない」ということでした。「はあ??」の世界です。
 もちろん使えるものは使ったほうがいいし、手作りなんて素敵だとも思うけれど、そういうことではなくて、子どもケガしたらどうすんの?地デジテレビを借金して買うくらいなら、今すぐ「すのこ」を買い換えるべきです。
 うちの学校は床もコンクリートだし、あちらこちら床がはがれているし。学校の授業の様子だって、まずはみんなが落ち着いて授業を受けれるか?とか、障害のある子も一緒に学べているか?とか、なんで介助員さんは途中で帰っちゃうの?とか、先生の声は小さすぎやしないか?とか、漢字の書き順が全然違うから見てあげて!とか、「トイレにペーパーを丸ごと入れちゃう子がいるからトイレはかならず2人以上で行くこと」ってルールはどうなのか?とか、学校のトイレで「大」ができないよーとか、カンチョウという遊びは大変危ないからやめさせてほしい、とか、制服は何のためにあるの?とか、中学の評価の仕方に問題はないのか?とかそういうことが問題なわけです。デジタルとか、そういう次元の問題ではないのです。

 そもそも、本当に学力を上げたいならば、テストの点を上げさせることを本職としている私の経験上、1クラス、20人以下にしないと無理です。生徒の定着率を上げるには、下手にいろいろと工夫をするとかえって混乱するので、シンプルに、わかりやすい授業をしたほうがいいのです。工夫をして、なおかつ効果も上げるには、教材というよりも、先生の力量が必要なのです。結局、人なんだと私は思います。

百歩譲って、テレビを買い換えるなら、DVDが見れるテレビデオを買ったほうが安いのではないかしら。今なら地デジ対応でないものが、安く中古で出回っているような気がしますけれど。

今回の件、国の補助金を使わなければ良いだけのこと。国だって、山ほど借金があるんですから!!

8日の委員会で審議になりますので、ぜひ傍聴にいらして下さい。

電子黒板、本当に必要なの??”へ4件のコメント

  1. うろ子 より:

    Unknown
    うちの娘にきいたところ、
    「うちの学校もすのこから釘が飛び出てるよ」
    とのことでした・・・・。

    板が外れているのもあるらしいです。
    掃除の時間にすのこをずらす度に
    「すごくあぶないなー」と思っていたそう。

    もっとほかにお金かけなきゃならないところたくさんあるでしょうにね。

  2. 佐々木ナオミ より:

    Unknown
    うろ子さんとこは、S小ですね!
    この際、全小学校の「すのこ」を調査してもらうように要求しましょう。

    先日の校庭の芝生化といい、とにかく、優先順位がおかしいのです。

    家は借金を抱え、子どもの文房具を買うお金もないのに、「今ならエコポイントもらえるから、エアコン買い換えよ!」という夫。
    という構図を想像してしまいますね。

    皆様、小田原市内の小中学校の「すのこ」の報告、ぜひお寄せください。

  3. おしりえくぼ より:

    Unknown
    最近、体が重くて学校に行っていないのですが娘に訊いたら「釘が出ているのは見たことがない」とのことでした。まぁ、意識が向いていないだけかもしれません…。

    しかし、芝生の件もビックリしましたよ。
    夏休み前のPTA運営会議で校長が「隣の幼稚園は芝生を植えるらしいけれど、我が校はその様子を観てからにします」というのね。皆、きょとんとしちゃって“校庭に芝生??”とおもっていたら、校長が「なんせ全面ですから」というので思わず「全面?!は?何の意味があるの??」と声を上げちゃいました。運営メンバー全員私の反応に笑っているだけでしたが、問題視する人はいなかったですね。

    校長も「様子を観る」って濁しただけなのか、本気で様子を観るのか…。信じられません。

    ホント優先順位が違いますよね。

    放課後児童クラブのこととか、直接児童の居場所確保の整備に関わる事が先だろうと思います。

  4. 佐々木ナオミ より:

    Unknown
    おしりえくぼ様

    芝生化はとりあえず、下府中小、新玉小、東富水幼稚園の3か所を行い、様子を見てから、3年後くらいには全市的に行いたいとのことでした。
    もしだめだったらどうするんだろう。もう芝生化してしまったものは、戻せないしね。
    ポット苗を植える前に、苗を入れる穴をあけるのが大変だったようです。グランドはもともとが固いですからね。こちらはボランティアもあまり集まらなかったようです。本番の植えるのはたくさん来たようですが。

    抜くのはもっと大変でしょうね。グランドもやわらかくなってしまっているだろうし。

    別に芝生が悪いとは思わないのですが、全面にする必要があったのでしょうか?
    校庭の一部を緑地帯として整備して、そこを芝生にするとかじゃあ、だめだったのでしょうか?

この投稿はコメントできません。