逗子市へ「幻の相乗りタクシー」をヒヤリングしてきました!
今日は、「市民自治研究会」で逗子市へ行ってきました。
逗子市では、平成18年の10月から平成19年の3月まで、相乗りタクシー「ディマンドタクシー」を試験的に導入しました。
「コミュニティーバスを導入してほしい」という要望があった2つの地域と駅、市役所を結ぶもので、市民はあらかじめ予約をし、家から、目的地まで9人乗りのジャンボタクシーでの移動をします。市は、民間のタクシー会社と委託契約をし、1人1回300円の料金を差し引いた金額を、委託料として月単位で支払っていました。
この事業は、実証実験の段階で廃止となり、実現には至りませんでした。
理由は、利用者が少なく、採算が合わなかったことです。
対象者が限られていたこと。
行くところが、駅と市役所だけに限定されていたこと。
ダイヤが決まっていて、個人の都合に合わせられないこと。
タクシー会社が努力してもしなくても収入が変わらないこと
などが、事業化に至らなかった原因だと、調査の中で見えてきました。
このあたりの問題点はもちろん、市側も認識があったようですが、
そのためには、現在の道路運送法のありかたにも、問題があるのでした。
道路運送法では、関東運輸局長の許可が必要であり、さまざまな制約を設けることで、許可が下りることになったこと。
その後、この法律は一部改正がされ、平成18年10月1日より「地域公共交通会議」の仕組みが導入されますが、構成員のなかには民間の交通会社もいるため、民業を圧迫するようなものに、合意を得られにくいことなどもあったとのことです。
ただ、逗子市は公共交通も発達しており、対象の地域は中心部から離れていたものの、
タクシーで、片道1000円以内で行けるところが多いことなどから、乗り合いタクシーよりも、
交通弱者に対してタクシー券の補助をしてほしいという声もあったようです。
小田原でも乗り合いタクシーを導入できないだろうかと、
私も以前から考えていたので、ぜひ実現に向けて調査をしたい思っています。
小田原では公共交通が十分とは言えず、中心市街地以外は、車でないと移動が困難になっています。
特に、橘地域や曽我地域では、バスの回数が減らされ、住民のみなさんはとても不便をしています。
ほとんどの家が車で移動をするので、バスに乗る人も限られています。
もともと不便だから車を使う、利用者がいないからバスが減る、という負のスパイラルに陥っています。
高齢化が進む中で、車の運転が不安なお年寄りも、買い物にも行けない、病院にも行けないということで
車を運転してしまっている現状。車のない人は、往復タクシーを使っているようで、その費用がかさむことから
出かけなくなってしまっている方もいます。
まさに、交通過疎地域が、小田原の周辺部には多くあります。
どういう形でなら小田原で導入できるか、
困っている市民のニーズに応え、なおかつ費用対効果もある仕組みを
今後も調査していきたいと思います。