行政の仕事
行政がするべき仕事とは何でしょうか?
最近はどうも、「ちゃんと仕事しましょうよ!」と息巻くことが多い私としては、
改めて書いてみたいと思います。
まずひとつは、
市民の安心な暮らしを保証すること。
そのために必要な体制を作ることでしょう。
個人のいろんな大事な情報も行政は持っていますから、
ちゃんと管理もしなければならないし、そのための共通のリールを作らなければなりません。
市民の暮らしの困り感を様々な形で情報収集し、解決のためのルールを作ったり、
今までのルールを変えることも必要です。
次に、
市民が窓口にいっても人によって対応が違うとか、問い合わせをしたら、
いろんな部署をたらい回しにされたとか。
こいうことがあってはいけないので、
法律や条例に基づいて、忠実に仕事をする。
専門集団として、「そんな法令は知らなかった」ということがないようにしてほしい。
どの市民にも公平に対応をする。
議員が一緒だから丁寧、なんてことはあってはなりません。
必要に応じて、臨機応変に部署を超えた連携を行う。
よく言われる「行政は縦割りですから」なんてあってはいけないと思います。
情報を分かりやすく市民に示すことも必要です。
例えば、
市民ホールはどういう経緯で計画が出来、
どういうプロセスで完成までたどり着くのかを分かりやすく市民に伝える。
また、市民の意見や計画に対する提言などが、どういう手続きをとって反映されるのかを示す。
計画策定の段階に市民参加の機会があるか、
素案が出来た時点でどういう形で市民意見を集めるのか、
その集めたものが、計画のどこに反映されたのかを分かりやすく伝える。
さらに、行政内だけでなく、関係機関との連携もしっかり行ってほしいことですね。
小田原市の中にあるあらゆるものの所管は、国のものか、県のものか、市のものかが違います。
川一つにとっても、国が管理しているものもあれば、県が管理しているもの、市が管理しているもの、
そのほか関係機関が関わっているものなど様々ですが、市民にとっては、どれもおんなじ川です。
その川に困ったことがあるとしたら、普通は市役所に聞きに行きます。
特に市は、いちばん市民に身近な存在ですから、
「それは県ですから、県に問い合わせてください」ということでは困るわけです。
どんな情報も、市の窓口をしっかり作り、市民のニーズに対応していく、関係機関との連携を図り、
課題解決への手順を示す。
また課題解決のために関係機関に働きかける。
どうしても対応できないならば、どこへ問い合わせればよいのかを正確に提示する。
「電話かけたけど、それはうちではないと言われてしまいました」などと、
市民がたらいまわしにされないように、どこが何を責任もって対応するのかを、
きちんと把握し情報提供する。
とりあえず、ざっと思いつくだけでも、こういうことが、行政にしかできないことです。
または、行政にこそ、責任を持ってやってもらいたいことです。
そのあたりのことは、ニセコ町の「まちづくり条例」に顕著に表れています。
この条例では、「町は」ということばで、行政の役割を明確に提示しています。
それに比べ、現在小田原市で検討している自治基本条例の報告を見ますと、
今の段階では「市は」または「行政の役割」という項目は出てきていないようです。
自治基本条例は、自治体の憲法と言われています。
行政、議会、市民の役割を明確にしていくこと、
特に、市民の福祉と権利を保障するために、
行政の役割を規定することが大事なのではと思います。
議会でも、議会基本条例の検討が始まっています。
市民の代表である議会が、市民が政治参加するための道具として、
2元代表制を一方をになう、首長のチェック機関としての役割を果たすための条例です。
今後の自治基本条例と議会基本条例に、ぜひ注目していただきたいと思います。
“行政の仕事”へ2件のコメント
この投稿はコメントできません。
行政の役割。これが素案では検討不十分であるのは、明確です。
これを正すためには、意見書を出す事です。
どこの何がおかしいのか。
明確な議論として、文章で示す必要があります。
それを行政は求めています。
この文章では、意見書としては少し不明瞭です。
ここで言う、議会の役目は、市会議員の役目は、
市民にしてみると、行政以上に不充分です。
なくても何も変らない気さえします。
ここで書かれた市民ホールさえ素通りでした。
議会には小田原の方角を示す、大切な役割があるはずです。
そうした前向きな議会にする為に、議員は何をしているか。
是否とも、ブログでおりにふれて、書いていただけるとありがたいです。
市会議員にはそうした義務があるのかもしれません。
今、小田原市の様子が一番分かるのは、加藤市長のブログです。
総合計画は、自治法により議会の議決事項となっています。
それも、基本構想の部分だけがです。
つまり、基本計画も、それに伴うさらに具体を示した実施計画も議決事項ではありません。
また、この後、総合計画審議会が立ち上がりますが、そこには議員が参加します。
つまり、議会がこの計画の提案者となるのです。
私は、そういった意味合いで審議会には議員は参加すべきではないと思いますし、私たちの会派では、そういう考えを議会の中では提案しました。が、議会全体としては参加す方向になりました。
基本構想は、なにも間違ったことは書いてありません。総合計画ですからあらゆる分野のことが具体を示さずに字句を並べているだけです。これに反対することははっきり言って不可能です。もちろん、反対少数だということを見越して、自分だけが反対することは出来ますが、それで意味があるかどうか。せいぜい、意見を述べて賛成するということになるでしょう。
ただ、総合計画はその程度のものです。日々状況は変わるし、そのとき必要な制度はそのときに提案するしかありません。
現在総務省では、基本構想の議決自体も削除することが検討されているようです。
そうなると、議会では委員会で報告があって、質問をして、意見を述べるくらいしか出来ません。それが反映されるかどうかも執行部次第ということになります。
議会が行政のチェック機能を果たすためにすべきことはたくさんありますが、それも制度を変えなければなりません。そのためには、議会でそう考える議員が多数にならなければなりません。
どうすれば、議会が変わるか。市民が選挙で変えていくしかないのです。
だからこそ、市民自治が、市民の政治参加が必要なのです。
「政治にかかわるのはいやだ」という風潮がある限り難しいと私は思います。
もっと自由に、政治活動が出来るようにしてほしい。
学校の中で、町のなかで、公民館でも地域センターでも。
政治を生活の作法にすること。
政治参加する勇気を普通の市民が持つこと。
これこそが、議会の力を強くし、2元代表制という
民主主義の仕組み(私は素晴らしい仕組みだと思っています)
が本来の意味を持ってきます。
私のような普通の母親が議員をやっている意味はそこにあるし、
それが私の役割でもあると考えて日々活動しています。