小田原市植栽管理計画、こじれています

 本日、小田原市は先日TBSで放映された番組に対しての抗議文をTBSに対して送ったと新聞報道がありました。
8月ごろから話題になっているお城の木の伐採問題。
私のところにも問い合わせがさまざまに来ています。

 今回の城址公園の木の伐採については、市長の諮問機関である植栽管理計画策定委員会で計画され、議会では今年の6月厚生文教委員会にて報告されました。

 厚生文教委員会では、ここまで大がかりな伐採だという説明はありませんでしたので、大きな議題とはなりませんでしたが、どうやら、大がかりな伐採だということが、そのほかの場面での市の説明で明らかになってきました。

 市民の方たちの運動や、9月議会でもこの問題が何名かの議員に取り上げられたことを受けて、市からは、「これから実施計画を立てる。その上で、一本一本調査をしていき、伐採か相当の枝おろしかを検討します。とにかく何でも伐採するわけではない」という形に軟化してきました。

 現在市議会には伐採に反対する市民の方たちから陳情が出されています。
先日11月4日の厚生文教常任委員会でこの陳情が審議され、結果継続審査となりました。

 現在、小田原城は「江戸時代の小田原城の姿に復元する」ことを「本丸二の丸構想」の中で位置付けていますが、おそらくそれには、100年単位の時間と莫大な予算が必要となります。

 私の考えとしては、この構想自体も、どこまで市民に周知されているのか疑わしく、おそらく、ほとんどの市民は知らないと思います。
木を切ることがいいか悪いか、の議論の前に、市の情報の開示の仕方や策定委員会の持ち方、市民意見を取り入れる場が不十分であったことなど事業の実施の過程に大きな問題があると思います。

 国の指定史跡としての価値は大切にしなければならないことも理解できますが、一方で、ここ100年の、都市公園、または憩いの場としての小田原城も、市民にとっての大切な「歴史」であることには変わりありません。

 今回の問題を機に、小田原城を、史跡としての価値を高めたいのか、それとも市民の憩いの場としたいのか、またはその両方が共存できる道があるのか、どうしたらいいのか?が市民の間で議論され、まずはその方向性を市民がきちんと共有する必要があると私は考えています。

 今後は実施計画を作るための専門部会ができるということですが、実施計画策定段階で、市民意見を反映するための努力を市がきちんと行ってほしいと思います。

 先日のTBSの放送については、誤解を生じる部分が多々あったとは思います。
その後も、馬出門の整備(石垣が崩れてしまうため)のための4本の木の伐採についてもメディアで報じらていますが、今回の植栽計画とは別な事業であるうえ、以前から決まっていたこととは言え、ここまで木の伐採が話題になっていることを考えれば、改めて市民への説明の場を設けてもよかったはずです。

この問題、どうもややこしい感じになってきちゃったなあ~、と思わずにはいられな
い、今日の新聞記事でした。

小田原市植栽管理計画、こじれています”へ4件のコメント

  1. ton より:

    小田原市は独断専行が多いのではないかと感じています。

    これを止めて、市民の意見が、事後でなく事前に反映されるように、佐々木さんの活躍に期待しています。

  2. ささき より:

    佐々木議員、今更何をという感じです。
    市議会ですでに可決された案件をまた戻す?
    あなたたち議員の無能を自分自身で証明しているようなものですよ。

  3. 佐々木ナオミ より:

    tonさま

    私自身は小田原城の植栽についてはある程度の整理は必要と考えています。
    これまで切られたものも、基本的には植栽をどうするか、ということではなく、倒木などの恐れがあるものを
    整理した、ということでしたので、日常の樹木の管理の範囲内だと思います。
    本当にそうか?と言われれば、専門家ではないので、なんとも言えませんが。

    先日も我が家の近くの公園の立派なケヤキが強風で倒れたばかりなので、
    (幸い、けが人がなくて本当によかったですが)
    古い木と言うのは、意外と倒れてしまうものなんだなーと、改めて思いました。

    とにかく、おっしゃる通りで、市民意見が反映される手立てを、
    加藤市政にしっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、
    そうでなければ、この事業を進めることはできないなと今は考えています。

  4. 佐々木ナオミ より:

    ささきさま

    どの案件について承認された、とおっしゃっているのか分かりませんが、
    今出されている植栽管理計画については、議会には「説明」があっただけです。

    今後、実施計画ができ、実際に、予算が組まれ、予算の提案があったときに承認するか、しないか、
    を議会で審議し、決めることになります。

    12月の補正予算か、3月の23年度当初予算かは分かりませんが
    提案者である加藤市長が決めることです。

    ただ、もしも23年度当初予算が、この案件に絡めて否決されるようなことがあれば、
    加藤市政にとっては大きな痛手となることです。

    とにかく、私としては市民参加を丁寧に行い、市民が納得のいく実施計画
    を策定してほしい、と思っていますし、その経過を見守りたいと思います。
    そのうえで、承認するかしないか、判断したいと考えています。

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