小田原城歴史散歩。素敵です。
小田原といったら小田原城。城下町ですもの。と言いつつ、小田原城の価値をあまり知らない私たち世代。私も何を隠そうその1人でした。2年ほど前から「城郭素人」のママや子どもたちに声をかけ、小田原城の歴史に詳しいYさんの案内で城郭をめぐるハイキングをするという、贅沢な企画をしてきました。先日は小田原城内だけの散策を行い、今整備中の馬出門と、銅門を見学しました。さて、小田原市には「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」という計画があり、その中でこの2つの場所は国の指定史跡となるべく、忠実に復元をしています。なので、見た目だけでなく、工法もすべて忠実に再現しています。今、整備中の馬出門では、まだ壁が塗りこめられていないので、骨組を見ることができました。竹を組んだ上に藁縄を丁寧に巻き込んでいくという「小舞」と呼ばれるもので、それはそれは美しい。銅門も、鉄筋でできているのではなくて実は同じように作られています。って、皆さんご存知でしたか?その模型が銅門のある広場の入口にあります。この様子は7月中には壁を塗りこめてしまうので、今後は本物を見ることはできません。総事業費4億1200万円。たとえば小学生を対象に授業の一環として見学会を行うくらいのことをしてもよいのではないかと思います。
さらに銅門は全体の総事業費が約13億。実は銅門の2階には、檜で作られたとーっても素敵なお部屋があるのです。いちいち柱も素敵で、ここでクラッシックのミニコンサートなんてやったらどれほど素敵かしら。と思いきや、残念ながら江戸時代の状態を忠実に復元しているため、現代の消防法に引っ掛かるということで、見学のみ。グループなどで小田原市の文化財課に申し込めば、扉を開けて見学させてくれるそうです。いつもはカギが掛かってます。
それにしても、使えないなんて、もったいなくないでしょうか?せっかくお金かけて作ったのだから、使いたい。と貧乏性の私は歴史的価値を全く理解せずにじたばたするのでした。
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消防法
私も、東京から「小田原視察」にこられる、友人グループに何度か銅門の武者溜まりを披露したことがあります。建築基準法、消防法という国の法では、簡明に「使用」できないという解釈になるでしょうが、市の条例で例外的、条件付きでの一時使用の規定をすることなども研究してみたらどうでしょうか。「使えません」というのが最も安楽な管理・保全手法ですが、文化財と住民生活の刷り合わせという問題が、今後の史跡整備事業の大きな課題になってくると思います。
私たちのかけがえのない「城址]「文化財」をこの町の強い牽引力にするためにも、しっかりした理念を持つべきだと思います。
Unknown
参加できなくて残念です。
文化財は、新たな創造の為のそこに意味する知恵を学ぶ事が真に重要かと思います。
所行無常のこの世界でカタチあるものを永遠という幻想の為にあの手この手で抱え込み、文化をただのモノとして捉え、多くの価値を忘れ去ってしまう事に空しさを感じます。
ああ、まさに「色即是空」w
Unknown
馬出門の骨組みの子ども見学会が明日あると言ってましたね。
お友達のMさん(社会教育委員)が企画したそうです。
残念ながら私は東京で研修なので子ども達を連れて行けず…
Unknown
smatさま
おっしゃる通り、文化財と住民生活のすり合わせというのは、大きなテーマでしょうね。
また、これからの小田原の街づくりにとっても大きなウエイトをしめる課題だと思います。
その前に、小田原城の歴史的価値を市民がどこまで把握しているのか、という問題もあると思います。小田原に住んでいながら、小田原の歴史的価値を把握している人はそんなにいないのではないかと思いますし、私もその一人でした。まずはそこを押さえてから、ここまで壊されてしまった歴史的価値を再現していくのか、市民の暮らしの課題とのかかわりはどうするのかを議論してく必要性を感じています。
シュンスケさま
歴史的価値のあるものをどう扱うのか。大事に飾っておくのがいいのか、使うことで、人の息吹を感じられうものにしていくのがいいのか。これから江戸時代に戻るわけではないし、銅門のあの部屋が武器庫として使われることは未来永劫無いでしょう。そう思うと、せめて市民が昔の工法やその歴史的価値に親近感を持つことも必要なのではないかと私は思いますが、史跡としての価値がなくなるものなのか、勉強不足でわからないのよねー。これからの課題です。
おしりえくぼさま
Yさんとの歴史巡りはこれまでも友達たちやうちの塾生たちと何度かやっています。6月の見学会で見たことを「もったいない!」と大騒ぎしてたら、多方面に活躍中のお友達のAさんが、すばやくいろいろ動いてくれて、大規模な見学会になってよかったです。とにかく子どもたちが見てくれてことがよかった。
馬出門の小舞は、残念ながらもう2度と見れませんが、毎年子どもたちのイベントにしたらどうかと思います。
私の身近な人ともまた涼しくなったりやりたいねーと言っているので、その時にお誘いしますね。とにかくYさんの解説が「シビれる!」ほど面白いのです!