「空とコムローイ」上映会のご報告
3ヶ月かけて準備した上映会、無事終了しました。
2回の上映はいずれも満席!決して話題の作品ではありませんが、多くの人が足を運んでくれ、
参加者の皆さんと、ともに優しい時間を共有できました。
この小田原で上映会ができて、実行委員のひとりとして本当に良かったと思いました。
映画は、タイ北部の辺境の村に暮らすアカ族という少数民族のための自立支援活動を追った
ドキュメンタリーです。コンティップ村というあるカトリックの修道会が運営する施設で暮らす人々の
姿を7年かけて丹念に記録しています。
貧困や差別に苦しむ少数民族。そんな紋切り型の切り取りをふんわりと飛び越えてしまうような、
素朴で優しい人たちのゆったりとした美しい暮らしぶりが胸を打ちます。
講演の中で三浦淳子監督が、この修道会のペンサ神父の言葉を紹介しました。
「必要以上のものはいらない。必要以上に持つことは、暮らしを壊してしまうのだ」と。
「儲かれば儲かるほど良い」という、経済発展が絶対的な価値観となっている私たち。
コンティップ村には、私たちが見失ってしまった何か、「人としての尊厳」が大切にされる暮らしがあります。
映画の中で効果的に使われるコムローイ(紙製の灯籠)は、子どもたちの未来が明るいものであるようにと
願う思いをのせて、ゆっくりと空へあがっていきます。
政権交代によって、人の命よりも景気回復が叫ばれている今、人と人とのつながり、お互いを支え合い許しあう気持ちが大切にされれば、私たちの未来もきっと明るいのだと、温かな気持ちにさせてくれた映画でした。