「学校警察連携制度」っていったいなに?

今日から、「学校警察連携制度」の運用が始まる。
これは、先日の厚生文教委員会で、突然報告されたものだ。

学校と警察が連携して、子どもたちの立ち直り支援をするのが目的だが、
どうも解せないのは、
「連携機関(市教育委員会・学校・神奈川県警本部・警察署)は、一般的な連携はもとより、
相互に児童・生徒の個人情報を提供し」というくだりだ。

そして、この協定書を見る限りでは、保護者の承諾は要らないということらしい。

一般的な連携は現状でも出来るはずだ。
問題は、この協定を結ばなければ、個人情報保護法の規定によって、生徒の
個人情報を連携機関が勝手にやり取りできないことだ。
それを出来るようにするために、この協定をわざわざ結ぶ必要があるということだ。

これって、教育現場や子どもたち、保護者にとっても大きな問題だとわたしは思うが、
この運用までに、保護者向けの説明会もなければ、一般の教職員の方の意見を聞く場も
ない。子どもの学校の先生に聞いたら「知らない」といわれた。

最近我が家は、子どもたちと夫がなんだか知らないけど「金八先生」をビデオで全部見ている。

先生が子どもとの信頼関係のなかで、自分の悩みを打ち明け、またその親も、自分の苦しい
思いを相談する。地域の人たちも、様子が変だと思えば声をかけ、地域のおまわりさんは
子どもたちと顔なじみで、子どもたちを地域の一員として心配し、犯罪が関わるときには
先生と一緒になって、奔走する。
所詮はテレビのドラマだ、といってしまえばそれまでだけれど、おそらく、今学校と地域の連携と
いうことで、教育委員会が取り組んでいることは、こういう地域や学校のあり方を目指してのことだ。

委員会では
「日ごろ子どもたちの生徒指導に苦労されている先生たちを、個人情報の面でも支援するためです」
と言っていた。
子どもたちの問題を解決するのは、個人情報のやり取りではなくて、
信頼関係で結ばれたなかでの連携であろうし、
それには「一般的な連携」でも十分なはずだ。
それとも、金八に出てきたようなあたりまえの連携も、この協定を結ばないとできないのだろうか?

この制度の「運用規定」のようなもの、つまり、個人情報をやり取りする場合の細かいルールは示されていない。
学校長の判断で、学校が警察に生徒の個人情報を出す場合には、どんな手続きをとるのか、その情報はどう
処理されるのか、他に活用される可能性はないのか、そのためのチェック体制はあるのか、などなど。
わからないことだらけだ。

そして、一度結んだ協定を根拠に、拡大解釈で活用が広がりはしないかという不安も感じている。

参考文書(PDFファイルが開きます↓):
「学校警察連携制度について」学校と警察との相互連携に係る協定書(案)
      



これまでのコメント

  1. ton より:

    確かに危険性を秘めた制度のように思えます。
    好意的に解釈すれば、家庭内暴力を想定しているのかもしれませんが、そうだとしても、家庭内暴力の存在をどうやって確認するか、それが果たして正しい判断か、ということを第三者機関が判定する必要があると思います。

  2. 協定書案を拝見させていただきました。
    情報、ありがとうございます。
    協定書作成の動機は何でしょうか?
    いずれにしても、内容的に稚拙な感じがします。
    連携機関間の責務は、あるものの、肝心の市民(地域)や保護者を飛び越えているのがいかにも変ですね。協定書であろうが条例であろうが、市民の権利と義務が
    欠落しているような文書は、前近代的法令感覚ですね。
    当事者を無視して、この場合、未成年を対象としているので保護者でしょうか。
    行政委員会同士でこういう協定を取り交わすのはいかがなものでしょうか?

  3. 佐々木ナオミ より:

    tonさま
    おっしゃるとおりだと思います。
    第三者機関のチェック体制が必要ですよね。
    家庭内暴力に関しては、虐待の疑いがある場合には児童相談所へ通報をすることが市民には義務付けられています。
    そこから先は、児童相談所が専門的に調査、子どもの保護に取り組むことになります。
    この運用で、児童虐待について、警察と児童相談所が役割分担をどうするのか、も考えなければならないはずです。

    いじめや校内暴力も、警察に何とかしてもらうことではなく、その背景にある学校というしくみや、教育制度の問題点を
    問い直さなければならないと思います。

    そのように考えていくと、本当に警察と連携しなければならないときは、明らかな犯罪性、たとえば、薬物によって背後に
    暴力団組織が関わっているとか、親もそういう組織と繋がってしまっているとかいう場合に限られますが、
    それが、現状の制度で出来ないのか、またの制度を運用するにしても、それはかなりまれなケースなので、そのための細かい
    規定は当然必要だとわたしは思います。
    その規定は、運用と同時になければ、判断の仕様がないですね。

    学校で解決できなくて、警察と連携すれば解決できることって、具体的にどういう場合でしょうか?
    学校の先生たちに是非聞いてみたいです。

  4. 佐々木さんのご意見に概ね賛成です。

    >その背景にある学校というしくみや、教育制度の問題点を
    問い直さなければならないと思います。
    全く、同感ですね。

    具体的な実例は挙げられませんが、うちの市内でもある事件が起きました。被害者が出た事例ですが、学校や教育委員会は、手続き的な賠償の方にだけ目がいって、肝心の生徒の方に目が行かない、こういうところに問題があります。そもそも「事件」の解決をしたくない、する気もない傾向が見受けられました。

    一般的に、先生は今、授業以外のことに忙殺されているとはいうけれど、非常に後味の悪いケースでした。

  5. M.KUMAMOTO より:

    学校警察連携制度なるお手紙を持って来ましたので、なにか背中に寒いものを感じました。警察が、教育現場に入るのは、佐々木さんもおっしゃる通り、最後の手段、薬物とか傷害とか犯罪が確定的な場合、やむなく導入すべきものであって、簡単に警察を頼るべきではないと思います。社会の悪さを反映して、教育が難しくなっているのはよく判ります。訳あって、私年寄りが子供をみていますが、社会の悪と戦うのがどんなに難しいか痛感させられています。先生方もどんなにご苦労かとは思いますが、警察と連携でどういうふうにするというのか、あまりにも安易すぎるとおもいます。教育は勉学だけ教えていればいいものとは思いません。家庭と共にしつけも教育の大事な役割です。犯罪者を作らないのが教育です。聖職とまではいいませんが、サラリーマン先生では困ります。

  6. 佐々木ナオミ より:

    KUMAMOTOさま、同感です。この制度を見たときに、私も背中に寒いものを感じました。こういう感覚って、やっぱり大切だと思っています。今個人情報についてこれだけ騒がれているのに、なぜこれが大きな問題にならないのかが、不思議でなりません。正義の名の下に、大きな権力を持った組織が個人情報を本来の目的以外に活用するということが何を意味するのか。どうも戦前の治安維持法を思い起こしてしまうのは私だけでしょうか?
    しつけは学校ではなく家庭でといわれる昨今ですが、学校は家庭では出来ない、他人との付き合い方のルールを学ぶところです。それもしつけの一環だと思います。学校と家庭の役割分担ではなくて、大人が身近な子どもたちと信頼関係を結び、日々をすごしていくなかにこそ、教育は生まれてくるのではないかとわたしも思います。

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