1市3町ごみ処理広域化、市民説明会に行ってきました。

 今日は箱根町で広域化の市民説明会が開かれました。参加者6人。うち、箱根町民は2人(箱根町議1人)です。これで、市民説明をしたといえるのでしょうか。市民の意見をどこまで聞いたというのでしょうか?説明会というよりも懇談会のようでした。

9月議会では、16日に「1市3町ごみ処理広域化」について質問に立った方がいました。

彼の質問では、分別が複雑でこれからの高齢化社会で、お年寄りには負担が大きいことや、収集された廃プラスチックのうち、約半分はサーマルリサイクル、つまり燃料として再利用され、結局は燃やされている、焼却灰の処理に多額の予算がかかっているという現状を指摘し、広域化協議会が示している「熱回収施設」についても、熱回収というごみ処理という本来の目的から外れた副産物的なものを期待するのではなく、どんなものでも高温で焼却できる、溶融化(ガラス固化)によってダイオキシン類も安全に処理し再利用も可能になる溶融炉にすべきだとの提案がありました。

彼の指摘はもっともで、広域化するのであれば、焼却炉は溶融炉にしなければ意味がないのは明らかです。現状の産業構造や経済優先の暮らし方では、今後もごみの種類はもっと多様化していくでしょうし、現状でも、ごみを分別するのは不可能で、不燃ごみに回っているものも多いのではないでしょうか?

これまで広域化に対して、市は、とにかくごみ減量が優先、分別は「基本的には(ここが怪しい)」小田原方式にする、と説明をしてきました。私は、広域化はゴミ減量や環境負荷には逆行すると思っているので、彼の指摘はある意味、この広域化計画がも持つ矛盾を、私とは違った視点から明らかにしたものだったと思います。

現状の大量生産、大量消費を改めることなく、簡単に、効率的にごみ処理をするために、広域化して溶融炉を作る。しかし、溶融炉はその安全性や、環境負荷に関してかなりの問題があります。
私たちは今の快適さと引き換えに、次の世代を担う子どもたちに、その付けを回していくことになります。

本当にごみを減量し、環境負荷を考えるなら、できる限り、小規模範囲での自区内処理を、そしてできる限り循環型の、焼却をしないごみ処理を。それには、製造者責任、有料化も含めた回収方法の工夫、そして何より、私たち自身の暮らし方を変える必要があります。

ごみの広域化は、その二者択一を市民が突き付けられている問題だと思っています。私は、後者の実現のために、できる限りのことをしたいです。

ごみに限らず、今の社会全体が、私たちの首を真綿で絞めていくような状況だと感じています。私たちは目に見えないところで少しづつ環境を汚染し、私たちの子どもたちに、マスクなしでは暮らせないほどの汚染された空気と、浄水器なしでは飲めないほどの汚染された水と、自然の力に頼らないで育った作物とを、次世代に渡すことになるのです。

もうすでに、その序曲は始まっていると思いませんか?