芸文センターは市民ホールへ。そして市長の責任は??

11月17日は午前は議員説明会。昨年7月の入札不調から方向性が一向に定まらなかった芸術文化創造センターの整備方針が市長から発表されました。
その内容は、これまでの芸術文化の創造の拠点というコンセプトから、「シンプルで使いやすいホール」という、市長就任前のホール計画の原点に戻るというもの。現市民会館の建替にする、合わせて、「芸術文化創造」の旗はおろし、「市民ホール」にするというもの。
つまり、これまで「芸術文化の創造」のためのホールの検討に費やした時間と労力と人件費の全部を無駄にして(すでに5億円は無駄にしてるんだぞ!!)就任前の状態に戻す、ということです。
が、市長は「無駄ではない」と言い張り、これからのホールに盛り込めなかった機能は、まちなかに分散させて、まち全体に芸術文化活動を広げる、という。
この説明会では、ついぞ、市長からの謝罪の言葉は聞けませんでした(というか、お待たせして申し訳ない、とは言いましたが)
本来は、新しい市民ホールを作ると言って立候補し、市民の信託を受けたのであるから、それをまた就任前に戻すということは、重大な責任問題であるはずです。これまでの検討をすべて無駄にしたことに対する市民への謝罪がなぜないのか、「機能を分散させるから大丈夫」というが、どういう分散をどのようにするのか、どこでそれを担保するのかも合わせて示すならともかく、ただ、根拠もなく「やります」では、説明になっていないのではないか。あまりのことに、私は「それはただの言い訳でしょう。これまでの検討を無駄にした、ということに対して、市長としてどういうけじめを表現するのか、それを説明するべきだ!」と厳しく詰め寄りました。
これに対し市長は、「私だって、建てたかったんだ!」と声を荒げていました。
なぜ建てられなかったのか、それは他の誰でもない、あなたのせいではないですか?あなたが、これまで提案し、決断し、進めてきたことに問題があったからこそ芸文センターは建たないのです。
そもそも、芸文センターではなく、シンプルで質が良く使いやすい市民会館の建替をすれば、もうとっくのむかしに建っていたはずだと思うのです。ご自分が就任前に「シンプルで使いやすい」と言っていたのをすっかり忘れ、豪華な盛りだくさんのホールを、用地を拡張してまで作ろうとしたことが間違いの始まりだったと思います。見直すチャンスは、これまで何度もありましたし、私はそのチャンスのたびに、「引き返すなら今ですよ」と予算の反対を表明してきました。見直しをしないで進めるのだと決めたのは、市長自身だということを、どうやらお忘れのようです。

説明会では、反省もなく、次の方向性が示されました。
建設費は63億円程度。このうち23億程度はふるさと基金3億3千万と、国の交付金(いくらか未定)と、あらたに市民からの寄付を募って当てる。
手法としては設計・施工一括発注の事業提案型。今年度末に事業者を選定するための要求水準書を作る、市民説明会は来年度当初の予定。
平成31年度中の建設工事着工を目指す。

これについては、午後からの厚生文教委員会で徹底的に追及しました。
63億というが、64億になったらやらないという意味か?
国の交付金が決まったら、市民の寄付金の目標額も決まる。合わせて23億に達するまで建設はしないという意味か?
機能を分散させるというが、どこにどのようなものをというのを合わせて示し、機能が本当に分散したか担保しなければ、市民が納得しないのではないか?合わせて示すのか?
要求水準書に市民意見を入れないのか?入れなくて市民は納得するのか?市民意見を入れたら結局芸文のときの基本設計と同じものになるのでは?
事業者に出す要求水準書以降は、すべて業者にお任せになる。具体的な設計図が出てきた時点で
見直しはできない、ということで市民が納得するのか?(要望はできるが、反映するかどうかは業者次第)
果たして、こんな状態で、31年度中の工事着工などできるのか?

すべての質問はあやふや。こうやって、根拠もなく数字だけを並べていって、それが予定通りにならなかったらまた市民の不信感を招くわけです。もう少し慎重に進めるべきでは、本来は一度立ち止まるべきではないかと思います。失敗の懸賞もきちんと行うことなく「前向き」であればいい、というような姿勢に、呆れています。そして、使われてるのは市長のポケットマネーではなく、私たち市民の税金なのだ、という意識がどうにも薄い、緊張感のない説明でした。
明日は12月議会の厚生文教常任委員会です。市民からは市民説明会の開催をもとまる陳情が出ています。市長として、ぜひ説明責任果たしてほしいと思います。

芸文センターは市民ホールへ。そして市長の責任は??”へ1件のコメント

  1. 初瀬川政典 より:

     市民会館の単なる建て替えではなく、城下町小田原の相応しい芸術文化センターの建設がコンセプトではなかったのですか。申し分のない建築家に設計していただいたものを「全て白紙に戻し」挙句の果てが単なる市民会館の建て直し。しかも、文化センターの香りを残すために駅前開発地に代替施設?。これが加藤君、南足柄市との合併も視野に入れながらの文化施設の整備ですか。君は誰かに背中を突かれ止もう得ず対応をしているんですか。箱モノ建設には予算枠に縛られることなくその施設の理念がなければ何の意味もありませんよ。後世には、時の首長・議会議員は勿論ですが市民のセンスが疑われるんですよ。君をそそのかす人間から離れもっと自分を見つめ直して熟慮せよ。

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