小田原の梅が9割凍霜被害!

左は被害にあった梅、右は助かった梅

左は被害にあった梅、右は助かった梅

3月29日夜から30日朝方にかけた気温の低下で、つき始めた梅の実が大きな被害にあっています。
市の担当課に尋ねたところ、早咲きの十郎梅と南高梅はほぼ全滅とのことで、梅全体の9割が被害にあっているとのことです。
十郎と南高はどちらも梅干し用の梅。小田原の名産であり、特に十郎梅は小田原ブランドの向上ということでアピールにも力を入れているところでもあります。
JAでは4月1日に対策本部を立ち上げ、調査を始めたのことでした。

現状では県西地域では約1億3千万円、小田原市内だけでも約8千万円の被害金額と算定していますが、今回の被害は、ここ60年間で最大のものだということで、特に被害にあったのが梅干し用なので、来年度以降の部分も考えると今後被害の状況がどう変わっていくのか、全く予想がつかない段階だそうです。
さらに、神奈川県では農作物に対する共済制度を持っていますが、梅に関しては共済制度がありません。市はJAと協力して、どういった形での補てんができるかも含めて検討していく予定だそうです。

実際に市内の農家さんに梅の状態を見学させてもらいました。

十郎梅の木。

十郎梅の木。

本来なら鈴なりになっているはずの梅が、摘果をしすぎたようになっていました。
さらに山のほうは、十郎だけでなく梅酒用で遅咲きの白加賀梅もほとんど全滅の状態で、真冬の枯れ木のようになっていました。

とにかく、残った梅を大事に育てるしかないのですが、今年の梅の値段がどうなるのか見当もつかないようで、収量が少なく収入が見込めないのなら、今年は収穫そのものをあきらめるということもあり得るかもしれないとのお話でした。

こちらは白加賀。まるで枯れ木

こちらは白加賀。まるで枯れ木

今回の被害は小田原の農業にとってとても大きな問題です。農家が減っている現状で、これ以上農業が衰退してはなりません。私たちの暮らしの根本を支えている、私たちの地域の農業を守っていく必要があります。

現状ではJAや市の調査を待つしかないのかもしれませんが、市民が地域の農産物を守るためにできることを考えていかなければなりません。生産者と消費者がともに考えていかなければならないと思います。
市民としてどんなことができるのか、いっしょに考えませんか?