会派内におけるパワハラ被害について、記者会見を行いました

9月15日に、同じ会派の野田治美議員と共にひらいた緊急記者会見が新聞報道になっております。
多くの皆様から、ご心配、励まし、憤りのお声を沢山いただきました。皆様の温かいお気持ちに、心から感謝いたします。

一連の私が受けた会派内でのハラスメントに関しては、これまで本当に苦しい時間を過ごしてきました。

3年半前、「多様性を大事にする」「まっとうな民主主義」を掲げて立ち上がった立憲民主党にたくさんの希望をもらって、県西地域でなんとか旗を立てたい、その一心で、政党に参加しました。

しかし、所属することになった県議団(会派)は、あまり風通しの良い空間ではありませんでした。一部の方が、小さな失敗を犯したことをあげつらい、それをことさら大きな問題として度を越した叱責をしたり、低俗ないやがらせをしたり、ということが行われ、ものを言いにくい雰囲気がまん延しておりました。

今回の、私が受けたハラスメント事案は、次期神奈川県議選の選挙区割り問題で、自民党会派からゲリマンダー(特定の政党や候補者に有利な歪な区割り)といわざるを得ない案が提案されたことが発端です。この案は、南足柄市長に「民主主義の根底が崩れる」とまで言わせたもので、上郡、南足柄市の全首長から、さらに全議会からも、要望書という明確な抗議の意思が、県議会に届いています。

今回の案では、一度上郡と合併した南足柄市を再度分離して、下郡と合区させるという特殊性から、上群も南足柄市も、議席あたりの有権者数はむしろ少なくなります。それでも反対を表明するということは、いわゆる合区一般に見られる地域エゴからの反対ではなく、不合理な合区への筋論としての批判であったことは、大切な前提としてご留意頂きたいと思います。

これだけ無理筋の案が、それまでの委員会の議論にも反する形で提案され、地元では党派を超えて反発が出ている状況においては、第二会派としては、その抗議を議会の議論に反映させることが責務であり、特に地元県西地域の議席を預かっている私にとっては、黙って賛成することは議員としての職責に背くものであると考えていました。

会派の中では、当初は、私に対し、自民党案への賛同を水面下で説得する形でありましたが、団の最高決定機関である団会議で報告された自民党案に、私が意見を述べたことから、今回のハラスメントが始まりました。

ハラスメントの行為者である男性議員たちからは、執行役員の方針に異を唱え、団会議で発言したことは、役員の顔に泥を塗った行為だ。団拘束があるのだから、自分の意見があっても黙って賛成しろ。いやなら出ていけ。と、長時間にわたり、密室で、詰問を受けました。

団会議は、会派の中で、唯一正式に個々の議員の意見を表明できる機会です。その会議で、個々の議員が異論を出すこと自体を逸脱とされてしまうのでは、会派内の合意形成プロセス自体が形骸化されてしまいます。

不条理な案に賛同するのみならず、団の中で意見を表明したこと自体を責め立てて、圧力で黙らせるという団のあり方は、民主的な運営とは程遠いものと言わざるを得ません。

度重なる圧迫に、採決日には、極度の緊張から体調を崩し、医師の指示で欠席することになりました。すると今度は、団会議で、「辞職しろ」との発言まで浴びることになりました。

わたしは、地元の多くの県民の皆さんに、負託を受けた県議です。

そして、会派に所属する以上、諸々の事由により、あるべき賛否とは別の会派拘束をかけざるを得ない場合があることも理解しております。今回の区割りについては、団として反対することを求めていましたが、それが叶わないというのであれば、地元で説明責任を負う私に、黙って言うことを聞けという圧迫ではなく、最低限許容できる意思表示の形を模索できたのではないかと思います。

 会派拘束に反して反対しても、その事情に鑑み形式的な懲罰で済ませる、採決時に途中退席を黙認する、あるいは、採決を欠席させるなどの形式は、議会制民主主義の中で、会派主義と個々の議員の良心と葛藤の調整手段として蓄積されてきた、民意の反映の手法です。

そして、議決は、議員である私にとってはとても大きな責任を伴う大事な仕事の一つ。私の採決態度が、多くの県民の、それも地元の多くの皆さんに不利益につながることならなおさら悩みます。その私の職責や第2会派としての役割に向き合おうとせず、「黙って賛成しろ、いやなら出ていけ。」「(団会議で発言したことに対し)まずは、会派に対して謝罪。会派全員を馬鹿にした。あそこまで好き勝手言ってもいいとなったら、会派の規律が保てない。」と、個室に呼び出され、上役の男性議員3人に詰問されたのは、本当に不条理で苦痛でした。

私もあまり弱い人間ではないつもりでおりましたが、3人の上役の男性議員に恫喝を受けるというのは、やはり極度の緊張と恐怖を強いられます。不当な圧迫だと頭で理解はしていても、体中に鞭を打たれ続けるような感覚になるほど、ぐったりとして、気力を奪われるものでした。精神的暴力を受けた人が、どれほど気力と体力を削られ、心身に影響を受けるか、身をもって体験しました。

幸いなことに、団の中にも、県連の中にも、共感してくれる方がいること、そして何より、地元の仲間や支援者の皆さんの支えで、何とか頑張れていますが、そうでなければ、おそらく家から出られないほどになっていたと思います。今も、県庁に向かう日は体調が悪くなり、血圧も顕著に上がります。

この様な団運営がなされ、議員として良心に基づいた意見表明を恫喝により圧迫させられるのでは、議員としての職責を果たすことに大きな支障を生じます。そして、これを黙っていることは、私に行ったハラスメントが団の中に今後も温存され、さらに団の中が委縮し続けると考え、党のハラスメント委員会に8月1日に申し入れを行いました。

 働きながら、同じ職場の上役の方からのパワハラを申告するというのは、とてもリスクを伴うことです。申し入れをする際も、相手方のお名前の公表などについては、二次ハラスメントを防ぐためにも、慎重に進めていました。(今回の会見でも、私と野田議員の名前以外は、すべて匿名にしています。)

 外部相談員からは、十分に客観的な資料と記録が揃っているので、相手方の処罰については留保してパワハラの存在認定だけであれば、相手方からのヒアリングは必須では無いとのお話もありましたので、まずは党がパワハラの存在を公式に認めるということのみに留めることも考えておりました。

しかし、9月14日に、パワハラ委員会から、私たちの同意を得ないままに、この申し入れについて加害者側に伝えた旨の連絡が来ました。そのことで、告発した私たちへのさらなるハラスメントの危険性が生じ、大きな不安と恐怖を感じました。

さらに、ハラスメント行為者は、立憲民主党神奈川県連の中でも大きな力を持っている方たちですから、ハラスメントそのものを握りつぶされ、うやむやにされてしまう危険性も感じました。おりしも、県連内で他の女性議員がハラスメントを公表したタイミングでもあり、ここで私たちの事案も公表することで、党本部のハラスメント委員会に適切な対応と処分をしっかりと行ってほしい、との思いで、記者会見を行うことを決めました。

 昨日は、神奈川県連の代表選が行われ、「活力ある県連を取り戻す」ことを掲げた青柳陽一郎衆議院議員が新代表に就任しました。ハラスメントの根絶に向けて、県連に相談窓口設置や第三者機関の設置を行うことも約束されました。新代表には、ぜひとも、県連内のハラスメントの根絶と再発防止に向けて、実効性のある取り組みを行うことで、県連所属議員誰もが、安心して元気に活動できる、「活力ある県連」を作ってほしいと、心から願っています。