噂の、新居千秋氏設計の文化施設 カダーレへ!(秋田県由利本荘市視察報告)

厚生文教常任委員会視察2日目は、由利本荘市の、文化交流館カダーレへ。
カダーレとは、「かだれ」=「仲間に入れ」という意味のこの地方の方言とのこと。
この施設は、現在小田原市で問題となっている約73億円の建設費の芸文センターの設計者である、新居千秋氏が設計した施設。9月議会中に新居氏の設計は白紙にすると加藤市長が明言し、新居氏を支持する市民からの反対の声も盛り上がっています。
私自身は、財政状況や南足柄市の合併議論もあることから、計画の推進そものものを休止したらどうかと考えています。

総事業費(建設、外構、用地、道路整備等)81億7千万円 うち、国の交付金22億円。起債が51億円。一般会計4億円。
文化施設と図書館の複合施設。
大ホールは1階部分が可動椅子で平場になったり、東西の通り抜け通路のようにも使える多目的な作り。テーマはスターウォーズ。
大ホール稼働率70%、うち20%はメンテナンス分。実質稼働率は50%
市民の活性化に大きく役立った。

今後の課題 維持管理費の増大。
照明器具など、すべて特注品で、日々の使用に伴う修繕にお金がかかっている。
プロポーザルなので、設計者からのオーダー 今後は凡用品に変えていくようにしたい。
自主事業のために、維持管理費が1500万増えた。

オーケストラピットの利用は年数回。平土間としてのイベントなどに利用。
オーケストラピットに楽団が入ってという本来の使い方をした実績はゼロ。

28年から指定管理。それまでは年間1億6千万ほど。(職員給与は別)
指定管理料1億7千万円。舞台スタッフは委託。

利用料収入年間1500万円ほど(3年間で減少傾向)。毎年1億5千万円の財政負担はなかなか厳しい。
利用者は1日平均1600人ほど。夕方中高生の待ち合わせやたまり場として使われている。

由利本荘市平成17年に1市7町で合併。神奈川県の半分の面積。人口8万人。300人規模の施設はあるが、1000人規模のホールはカダーレのみ。

<<見学した感想>>
これからの維持管理が相当大変だろうという点と、カダーレは図書館とホールで建設費が58億円なので、ホールだけで73億という小田原市のホールはかなり高い。これから図書館作るんだもの!新居さんの設計、やはり素晴らしいけれど維持管理も相当大変。こだわりがあっても続けられない。壁の埋め込み式のライトが半分以上埋め込まれていないが、埋め込む予定もないとのこと。

これから合併が議論されるが、2市8町で1000人規模のホールが3個(小田原、南足柄、松田)もいるだろうか?

運営も苦慮している。やはりこれほどの施設を直営でやるのは大変そう。結局指定管理にせざるを得なくなっている。自主事業も頑張って行っているようだが、そのための財源も大変そうだ。

まあ、とにかく、申し訳ないけれど新居さんの設計で建てなくてホッとしました。もちろん、素晴らしい方です。それはそうです。が、そんな立派な高級な施設、小田原市が持てると思うのが間違いな気がする。家だって、有名建築家に設計してもらって、こだわりの家なんて建てられるのは、お金持ちの人だけだし。今回の混乱は、「身の丈にあったホール」と言いながら、身の丈を見誤った結果ではなかろうか、との思いを強くしました。

噂の、新居千秋氏設計の文化施設 カダーレへ!(秋田県由利本荘市視察報告)”へ2件のコメント

  1. 日比野 正男 より:

    貴重なレポートをありがとうございます。
    具体的な数字が上がっていますが、小田原が現状の市民会館は対比するとどのようになるのでしょうか?南足柄、松田は?
     また芸術文化創造センターと位置づけた場合小田原市としては
    どのような数字を目標に考えればよいのでしょうか?
    今回の視察の委員会としての報告書は作成され、市会議員全員に知らされるのでしょうか?
    また加藤市長にも勿論知らされますね、、、?

    指定管理の意味を教えてください。

  2. 松本茂 より:

    予算規模を大幅に超過するような設計は、どんなに立派なものであっても、設計者失格です。
    もちろん事業者が金に糸目はかけませんというなら別ですが。
    わざわざ観にいく必要があったのでしょうかね。
    (ダカーレですか? カダーレですか?)

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