地下街再生の工事請負契約について反対しました。

 議案第106号 工事請負契約の締結について(小田原地下街再生改修工事)、反対の立場で討論をいたします。
 地下街再生事業に関しましては、この事業の事業主体が小田原市となり、商業での再開を目指した時点から、私は反対してまいりました。先ほど28番関野議員からも発言がありましたように、商業として成功するのが大変難しいことは、この議場でも再三申し上げております。

 今回の工事内容の中では、管理棟のエレベーターの新設が含まれております。このエレベーターを新設したとしても、そもそも狭い道路に面した荷さばき場が大変混乱することは必至です。例えば、小田原ゾーンで計画されている朝どれ野菜の直売所などは、朝同じ時間に生産者が野菜を持ち寄り、夕方同じ時間に残った野菜を引き上げに来ることになります。この荷さばき場で本当にそんなことがスムーズにできるでしょうか。生産者が集まるのか大いに疑問です。

 また、小田原駅を利用する年間約3500万人もの方をターゲットとしていることから、東口エスカレーターから直線でおりていかれるエスカレーターの新設も工事概要に入っております。平成21年度の中心市街地関連統計調査分析報告書によりますと、そのうちの約1600万人が定期券利用者、つまり通勤・通学目的の利用です。学生さんは、乗りかえの合間にお茶を飲むとか文房具を買うとか本を買う、通勤のサラリーマンは、軽く軽食をとるとかお総菜を買うとか本を買うというのが考えられますが、こうしたことは現状ではすべて駅構内や小田原ラスカで済んでしまうのです。どうして地下までわざわざおりてくる必要があるのでしょうか。

 私は、地下街は純然たる公共施設にすべきと主張してまいりましたが、この工事は、商業ベースの再開をしないのであれば必要のない工事です。23億円もの税金をかけて、採算性に疑問のあるこの事業を進めること、また、そのための無駄な工事は到底認めるわけにはいきません。
 以上の理由により、議案第106号に反対を表明し、私の討論を終わります。